イオンの総合スーパーにあるデジタルサイネージ「イオンチャンネル」が高い販促効果を生んでいる。商品を映像でPRするほか、天気予報や雑学などのエンターテインメントコンテンツも流し、視認率を高める。雑学コンテンツでは知名度の低い歳時記なども紹介しており、売り場や商品POPも歳時記仕様にするなど、各所と連動した販促施策を行っている。
広告動画の放映後 商品販売伸びる
「イオンチャンネル」はレジ横に設置された32インチのデジタルサイネージだ。
10月15日現在、イオンが展開する総合スーパー「イオン」「イオンスタイル」約510店のうち、200店に導入している。モニターの設置数は約1400台。イオンリテールは、「年間のべ4億900万人が『イオンチャンネル』に接触し、うち9割がモニターを認知している」とする。
これだけの人数が見るメディアとあって、広告効果は高い。たとえば、広告主が出稿したコマーシャル動画を「イオンチャンネル」で配信する前と後の1週間では「とある袋麺は配信前に比べ2.7倍。新商品の飲料は2倍で、さらにその後1週間の販売数も1.9倍となり、ブランディングの後押しにも寄与した」(デジタルサイネージを担当しているイオンリテールの矢之貴悟氏)。
広告動画の配信中はそれぞれの商品でテレビCMや店頭POPなどほかのプロモーションも行っていたため、「イオンチャンネル」非設置店においても販売数は伸びていた(袋麺1.8倍、新商品飲料1.6倍)が、伸長率に大きな差が出た。
消費者が接触するメディアはテレビCMだけでなく、ソーシャルメディアやインターネットなど多様化している。プロモーションはさまざまなメディアで複合的に行ったほうが効果的だ。
「たとえば、テレビCMで見て購買意欲が上がっても、店に来たらついうっかり買うのを忘れることもある。インストアメディアは頭から離れた購買意欲を思い出させる効果もある」と、表示内容を編集している小野塚浩氏は説明する …