お客さまとの接点がウェブへと移行する中、バナーの重要性が増している。おもてなしの心を込め、ファン化につながるバナーをつくるには?JALグループのウェブ宣伝制作を担当するJALブランドコミュニケーションの関口氏とネット広告事業のクリエイターズマッチ呉代表に聞いた。

右からJALブランドコミュニケーション WEB戦略部マーケティンググループ長の関口和生氏、クリエイターズマッチの代表取締役 呉京樹氏。
おもてなしのバトンをつなぐ出発点は「バナー」
「最高のバトンタッチ」。これは、JALフィロソフィに書かれた言葉だ。「お客さまに飛行機にご搭乗いただくまでには、運賃を決定する人、チケットを販売する人など、キャビンアテンダント以外にもさまざまな人がかかわっています。それぞれが役割を果たして最高のバトンタッチを目指そう、というのが、その意味するところです。搭乗券の購入がウェブ経由へとシフトする中で、今バトンタッチの出発点にあるのが、ウェブバナーです」。こう話すのは、バナーの制作を担当するJALブランドコミュニケーションの関口和生氏だ。
お客さまとの最初の接点となるバナーを重視し、ユーザー目線のより良いクリエイティブにしていくため、半年ほど前からクリエイターズマッチにバナーの制作を依頼した。「社外のクリエイターだからこそ出てくる表現に驚かされました。どのバナーがいいかを決めるのは、お客さま。積極的に新しい表現も採用し、分析を繰り返しています」(関口氏)。
バナーの企画・制作をしているクリエイターズマッチは、国内外問わず約200人のクリエイターをネットワークし、クリエイターのスキル・地位向上に尽力する企業だ。独自の試験に合格したクリエイターのみ登録できる仕組みで、地域や海外にいる優秀なクリエイターにスキルを活かす場を提供している。JALバナー制作に最初に携わったのは、バリ在住の日本人クリエイター。「飛行機を頻繁に利用するクリエイターを選びました。ユーザー目線を持って制作にあたれるのが、当社の強みです」と呉京樹代表は話す。
これまでの取り組みで関口氏が面白いと感じたのは複数のクリエイターに同時に提案を出してもらえるというもの。「かつては価格訴求を中心とするバナークリエイティブに陥りがちでしたが、色んなクリエイターにユーザー目線で『先得』を訴求する案を提出してもらい、新しい気づきを得ることができました。自分たちの経験則で制作していたものとユーザー目線で制作したものを比較して、ユーザーの意欲も高めるバナーのあり方に可能性を感じています」と関口氏。
続けて呉氏も「バナーはダイレクトレスポンスを目的としたものだけでなく、ブランドイメージの認知にも重要。またこのサイトに訪れたいと思ってもらえる、ファンづくりのためのバナー制作を強化したい」と話す。ユーザーに近いクリエイターを起用したバナー制作で、より多くのファンを獲得できるクリエイティブに取り組んでいきたい考えだ。

クリエイターズマッチに所属する約200人のクリエイターの中から、飛行機に搭乗する機会が多い人を選定。複数のクリエイターが制作にあたり、A/Bテストを繰り返している。
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