シミズオクトが運営などをサポートしている「東京マラソン」。2013年開催の大会には25の企業が協賛し、観衆は合計約173万5000人※に上った。
(※「東京大マラソン祭り」の観客数43万人を含む。)
イオンモールなどのように、企業自らがイベントなどを主催する事例も増えてきてはいるが、企業のスポーツとのかかわり方として依然一般的なのが、スポーツイベントやプロスポーツ興行への協賛だ。では、協賛によるメリットを高めるために必要な要素とは何か。プロ野球戦や東京マラソンなど、国内の主要スポーツイベントの運営・管理などを80年にわたって手掛けてきたシミズオクトの清水社長に話を聞いた。
ハード面・ソフト面ともにホスピタリティが課題
企業がスポーツイベントやプロスポーツの興行に協賛するメリットについて、シミズオクト 代表取締役社長の清水太郎氏はこう話す。「映画や演劇、コンサートなど、ほかの興行コンテンツとスポーツとの最大の違いは、筋書がなくて毎回1度きりだということ。まさにライブエンターテインメントの極みであり、そこが人々を惹き付けます。今、日本のスポーツ興行は厳しい状況にあると言われますが、プロ野球であれば1チームが毎シーズン約140回もの試合を行い、毎試合2~3万人が来場しています。例えばコンサートと比較すると、どれだけ人気のアーティストでも年間140回コンサートを開いて、毎回2~3万枚チケットを売るのは難しいでしょう。
また、スポーツ興行の強みはこうした根強い集客力に加え、ファン層の厚みにもあります。子どもからお年寄りまで同じ試合や大会を応援できる。これだけ幅広いファンが一緒に楽しめるコンテンツはほかにありません。そこが協賛企業の宣伝・販促効果に直結します」