2020年に向けて高まるスポーツ熱。その流れに乗って、スポーツの要素を取り入れた集客・販促施策を行うといっても、どんなことが考えられるのかすぐには思いつかないもの。そこで今回、プランナー6人に「売り場×スポーツ」をお題に、自由に販促企画を考えてもらった。あくまでアイデアベースではあるが、各人の切り口、方向性は大いに参考になるはずだ。
オープン前のショッピングモール×マラソンで顧客に非日常体験を提供できる
大人になってから「点滅した信号に駆け込むくらいだったらゆっくり歩いて待つ」をモットーに、ずっと走る事のない人生を歩んでいたのですが、ふとジョギングにはまり毎朝10km走る日々を送っていたら、案の定、膝の調子を悪くしてお医者さんに怒られました。最近では、より新しいランニングを求めGoogleマップでコースを探したりしています。
そんなある日、ゾンビ映画を見ていて気付いたのですが、ショッピングモールなど周回可能な店舗はなかなかに走りやすそうです。例えば店舗オープン前にランニングを開始、ジューススタンドが給水をスポンサード。走り終わった後に「さっき見かけたお店はビールがおいしそうだったな......」という形で販促になりそうです。特にハロウィンの時期は、世界的に流行しているゾンビウォーク(ゾンビの仮装をして集団で練り歩く)ならぬゾンビランを楽しむのに良さそうです。ゾンビになって追いかけるもよし、逃げるのもよし、タイミングよくゾンビ映画の公開時期が重なれば、シネコンとのタイアップもうまくいきそうです。
面白法人カヤック 企画部 クリエイティブ/テクニカル ディレクターせお・こうじろう/ウェブやモバイルアプリ、インタラクティブな装置など、実験的なものから日常が楽しくなるものを作っています。今年、急にランニングにはまり、いきおい膝を故障。リハビリ兼ねて少しずつまた走り始めています。 |
コンビニ×ジョギングで新しいスポーツインフラを構築!
夕方、神保町界隈を歩いていると、皇居のジョギングコースへ向かう仕事帰りのランナーたちと多くすれ違う。マラソンが趣味の取引先の方は、会社の席にジョギングシューズやウェアを常備していて、会社へ伺っても走りに行っている事が多い。ジョギングが趣味の方にとって、ジョギングコースは仕事と家庭に次ぐ第三の生活空間かもしれない。
そんな方をターゲットとして、コンビニをランナーたちの拠点として活用できないだろうか。具体的には(1)更衣室、シャワー室の完備(2)スポーツドリンクなどの機能性飲食料の品ぞろえ強化(3)市民マラソン情報など各種情報発信、などである。コンビニは、「通勤・通学者」や「狭小圏の生活者」など顧客が固定されがちだが、そこへ新たに「ランナー」という新規顧客を呼び込む施策である。
スポーツは、生活エリアや、性別・年齢といった顧客セグメントとは全く違う切り口を提示してくれる。スポーツを通じて、性別・年齢等を横断したターゲット設定ができた時に、新しい販促施策や顧客開拓の可能性が広がると考えている。
電通テック クリエーティブ プランニングセンター 部長こうさか・ふみひろ/大手印刷会社を経て電通テック入社。2007年、店頭ソリューション専門会社電通リテールマーケティング創立に参加。13年7月より現職。JPM協会CR委員。宣伝会議SP講座講師。静岡産業大学非常勤講師。 |