民放公式テレビ配信サービス「TVer」は4月11日、地上波同時配信をスタートした。それに合わせて同8日から、「もっと、今をつなぐテレビへ。」キャンペーンを実施。「テレビは変わらなあかんて何年言うとんねん、ずっと言うてるやろ。でも、ほんまに変わるんなら、今やと思うで」といった笑福亭鶴瓶の言葉を通じ、再スタートを切るテレビの今を伝える。

笑福亭鶴瓶が登場する6篇の「もっと、今をつなぐテレビへ。」シリーズ。リアルタイム配信が始まる前のティザーとして制作。
“今を同期する”というテレビの価値
キャンペーンでは、テレビCM4篇、WebCM2篇を制作。企画を手がけたのは博報堂クリエイティブディレクター/CMプランナーの神田祐介さんだ。「リアルタイム配信の開始は、テレビというメディアにとって大きな転換点になるのだろうと考えました。そんな中で改めてテレビの価値を考えると、“今この瞬間に同じものを見ている人がいる”というリアルタイム性にあるのかなと。そこから、今を同期する=今をつなぐというタグラインが生まれました」。
企画を固めていく上で、コミュニケーションの方向性についての議論は白熱したという。「リアルタイム配信自体にも賛否両論ありますし、テレビというメディアに対しても皆さんさまざまな思いを抱えていて。幼い頃から観てきたからこその愛着、時代の変化に伴う危機感などが入り混じって複雑に感じている人が多い。でも逆に考えれば、そんなさまざまな感情が渦巻いていること自体が、マスメディアとして多くの人に接続されてきたテレビの価値だなと。だからその状態をありのまま世に発することで、あなたにとってのテレビとは?と小さな議論が生まれるものにしたいと考えました」と神田さん。
テレビに賛同する人だけを集めるような広告ではなく、SNSで賛否両論が挙がるような広告に──。そのためには、テレビの置かれた状況をあるがままに伝える、“嘘の無い”広告である必要があった。笑福亭鶴瓶に出演を依頼したのは、テレビの...