本質と軽やかさ
私には、コピーライターの師匠が2人いる。入社するまでキャッチコピーという言葉すら知らなかった私は、思いもかけずクリエーティブ局に配属され、さらに鶴保正明さんという、天才かつ厳格なコピーライターについてしまった。
熊本朝日放送/2000年
〇C/早瀬丈雄
岩田屋/2002年
〇C/松田正志
岡田花園/2002年
〇C/緒方勝彦
私はFCC(福岡コピーライターズクラブ)に育てられました。強くて重いコピーの一撃を、何発も何発もくらってきました。その中から特に強烈だった「一撃」を紹介させていただきます。
「おっと!グローブと間違えてバナナ持って来ちまったぜ。」。『めざせ!甲子園』という熊本朝日放送の番組の新聞広告のキャッチコピーです。野球バッグの中にバナナが入っているビジュアル。もう単純に笑ってしまいました。広告ってこんなに自由でいいんだ、ていうか、こんなにふざけてもいいんだ、と衝撃を受けました。サブコピーが「この夏もナニが起きるか、わからない。高校野球は筋書きのない連続ドラマだ。」。ふざけているだけじゃなく、見事に番組に着地させている。すごい離れ業です。
キャッチコピーでどれだけ高くジャンプしても、きっちりと...