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2020年代のアートディレクション

デザインをもっと身近なものに

石川竜太(フレーム)

新潟県出身で、地元を拠点に日本全国の仕事を手がける石川竜太さん。1年間毎日ロゴをつくり続けたブログ「毎日ロゴ」やその書籍でも知られる。実は「企業の枠組みづくりに関わる近道では」と戦略的に始めた活動だという。そんな石川さんがデザインをする上で大切にしていることを聞いた。

フレーム
石川竜太(いしかわ・りゅうた)

1976年生まれ。フレーム代表。デザインをより身近なモノに感じてほしい。そして、デザインをビジネスにしっかり役立てたいという思いで、クライアントの課題解決に取り組む。ブランディング、C.I・V.I計画、パッケージデザインなどを多く手がける。主な受賞歴:JAGDA賞、日本パッケージデザイン大賞、日本タイポグラフィ年鑑、Pentawards、NYADC、German Design Award、A’Design Awardなど。

枠組みづくりから提案し、課題を解決する

──石川さんは30歳の頃と、比較的早いタイミングで独立されています。

前職で働いているときに、仕事に日々追われることが辛くなった時期があって、「辞めたい」と師匠に伝えたんです。すると「お前、ここ辞めてどうすんの?」と。そこで初めて自分が約10年間デザインの仕事を続けられた理由を考えました。振り返る中で、やっぱりデザインに面白さや価値を感じていたことに気付いたんです。

でも、さらにステップアップしようとなると、当時の僕の価値観や景色の中では、新潟に師匠よりも高いステージで仕事をしている人は見当たらなかった。師匠の傘から出て、自分が世の中に何を提供できるか、今後何を提供しなくてはいけないか自分で考えていくしかないと。そうして、2006年に独立しました。

──立ち上げられたのが、フレームですね。

そうです。社名には、意匠のデザインだけではなく、もっとお客さんの枠組み全体から提案し、課題を解決していきたいという想いを込めました。創業後、最初の転機となったのは、2007年にNIIGATA ADC賞の初代グランプリを麒麟山酒造さんの「麒麟山紅葉」のパッケージデザインでいただいたことです。僕がダメな仕事をすると、新潟アートディレクターズクラブがたいしたことのない組織だと思われちゃうんじゃないかという危機感が自分の中に生まれました。

そこで改めて、どうすればフレームづくりに関われるかと考えたときに、思いついたのがロゴでした。10年くらい前までは、「企業デザインができます、やりたいです」と言ってもわかってもらえることは、ほとんどありませんでした。でもロゴは企業の理念やブランドのコンセプトと密接な関係があるから、当然そういうお話もする。ロゴをつくれば、それに紐づいて制作する多くのものに携わることができるかもしれないと。ロゴをつくるデザイナーとして名を上げるために、毎日ロゴをつくって公開するブログ「Frame 毎日ロゴ」を始めました。

麒麟山酒造「麒麟山紅葉」のパッケージデザイン。

麒麟山酒造のパッケージデザイン。3月9日の新ラインアップ発表と同時にラベルを一新。

『毎日ロゴ』(ビー・エヌ・エヌ新社)。

ブログ「毎日ロゴ」で公開したロゴの一部。

──毎日って本当にすごいです。

正直、当時はとても大変でした(笑)。でも毎日ロゴをつくり続ける中で、次第に石川竜太という名前がロゴとリンクするようになってきました。実際にブログをきっかけにしたお仕事も少しずついただけるようになってきたんです。そして、もくろみ通り、お客さんの経営や、ブランド全体のコンセプトづくりに携わらせてもらえることも次第に増えてきて、今ではそういうお仕事の割合が過半数になりました。

想いを世の中に伝えるお手伝い

──自ら発信することで、変化があったのですね。ロゴに関して、印象的なお仕事はありますか。

新潟県にある摩周さんという...

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