広告ビジネスのスキルを拡張する 新しい働き方への挑戦
「事業クリエイティブ」「サクセスシェアリング」などのビジネスモデルを掲げて今年1月に設立された新会社「The Breakthrough Company GO」。広告会社出身の2人が中心となり、新しい働き方を実現するための場として走り出した。
働き方は自分で創る クリエイターのワークスタイル改革
昨年7月、博報堂は60代以上の博報堂のOBコピーライター、クリエイティブディレクター10人によるチーム、新大人研「賢人会議」を設立した。知見と実績を持ったOBたちの新たな活躍の場としていきたいという。
設立時の「賢人会議」メンバー
高齢化率が25%を超え、世界で最も高齢化が進む国、日本。シニア市場は年々伸長し、シニア向け商品のブランディングやマーケティングの需要も高まっている。しかし、シニア市場向けのマーケティングは、独特の難しさがある。
なぜなら、シニアを体験したことがない現役世代が戦略を考えているからだ。そのため旧来のシニア像にとらわれてしまったり、世代独特のインサイトがつかめずポイントを外してしまうなど、市場は大きいにも関わらず、有効な打ち手が見つけられない企業は多い。
そこで博報堂が注目したのが、同社出身の60代以上のOBクリエイターたちだ。同社の資産でもある彼らを組織し、共にシニア市場の課題解決に当たれないか――そんな発想で設立されたのが、「シニアの課題は、シニアが解決する。」を標榜する「新大人研『賢人会議』」である。
同社には15年前から、博報堂エルダービジネス推進室を前身体とした、「新しい大人文化研究所」(新大人研)がある。「賢人会議」は、その2代目所長である博報堂現役クリエイターの梅村太郎さんが発案したものだ。「博報堂のOBクリエイターたちは、長年鍛え抜かれたクリエイティブの実績に加え、シニアの生活者としてのリアルな実感も持っています。こうした同世代の実感値を生かさない手はないと、OBたち呼び掛けて、シニア市場の課題解決に当たる組織をつくったんです」。
こうして集まったのが、10名の「賢人」メンバーだ。コピーライター/CMプランナー出身のクリエイティブディレクターが中心となっている。プロデューサーとしてOBクリエイターへの声かけ役を担ったのは …