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働き方は自分で創る クリエイターのワークスタイル改革

出産をきっかけに見える景色が変わった

引地摩里子(サン・アド)

育児をしながら働く広告界のワーキングマザーたちは、働く中で何を感じ、働き方をどう変えているのか。サン・アドのアートディレクター引地摩里子さんに聞く。

サン・アド 引地摩里子(ひきち・まりこ)
1976年生まれ。2000年サン・アド入社。イラストを使ったデザインや、ポップでカラフルな色彩で目をひくデザインが得意。主な仕事に、虎屋、ルミネ、サントリーなど。

小さいけれどちゃんと伝えていく仕事を大事にしたい

2000年にサン・アド入社以来、一貫してデザイナー、アートディレクターとして仕事をしてきた引地摩里子さんは、2014年6月に出産、2016年4月に復帰した。

「以前は完全に夜型で、昼頃来て終電までいて帰ることもしょっちゅう。平日も休みの日も区別なくアイデアのことを考えていました。でも今は17時までに会社を出なければいけないので、朝も早くなり、『○時までに、○日までに終わらせるには』と、仕事の組み立てを計画的にするようになりました」。

イラストを使ったデザインが多い引地さんには、以前から女性ターゲットの仕事の依頼が多かったが、出産をきっかけに母親向けの仕事の依頼も増えた。例えば"産後ママの筋肉リメイク"を謳う腰用サポーターの仕事。身体のリメイクだけではなく、心も不安定になりやすい産後のママの気持ちにやさしく寄り添い、応援する絵本仕立てのパンフレットを制作した。自分の経験を生かして新たな仕事ができ、幅が広がったことは嬉しかったという。

現在の生活は、17時に会社を出て保育園にお迎えに行き、その後子どもが寝るまでは"仕事のことは完全に忘れる"モード。寝かしつけ後21時からまた家で仕事を再開している。

「PCに向かっている時間は短くなりましたが、その分集中するようになり、頭の回転も上がったように思います。以前は、アイデアを考えた後、ちょっと寝かせて…一呼吸おくこともできたのですが(笑)、今は夜の時間が使えないので ...

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