育児をしながら働く広告界のワーキングマザーたちは、働く中で何を感じ、働き方をどう変えているのか。サン・アドのアートディレクター引地摩里子さんに聞く。
小さいけれどちゃんと伝えていく仕事を大事にしたい
2000年にサン・アド入社以来、一貫してデザイナー、アートディレクターとして仕事をしてきた引地摩里子さんは、2014年6月に出産、2016年4月に復帰した。
「以前は完全に夜型で、昼頃来て終電までいて帰ることもしょっちゅう。平日も休みの日も区別なくアイデアのことを考えていました。でも今は17時までに会社を出なければいけないので、朝も早くなり、『○時までに、○日までに終わらせるには』と、仕事の組み立てを計画的にするようになりました」。
イラストを使ったデザインが多い引地さんには、以前から女性ターゲットの仕事の依頼が多かったが、出産をきっかけに母親向けの仕事の依頼も増えた。例えば"産後ママの筋肉リメイク"を謳う腰用サポーターの仕事。身体のリメイクだけではなく、心も不安定になりやすい産後のママの気持ちにやさしく寄り添い、応援する絵本仕立てのパンフレットを制作した。自分の経験を生かして新たな仕事ができ、幅が広がったことは嬉しかったという。
現在の生活は、17時に会社を出て保育園にお迎えに行き、その後子どもが寝るまでは"仕事のことは完全に忘れる"モード。寝かしつけ後21時からまた家で仕事を再開している。
「PCに向かっている時間は短くなりましたが、その分集中するようになり、頭の回転も上がったように思います。以前は、アイデアを考えた後、ちょっと寝かせて…一呼吸おくこともできたのですが(笑)、今は夜の時間が使えないので ...