フルーティーな発泡酒を「新しい飲み物」と定義しアスクルが運営するインターネット通販サービスLOHACOのみで先行販売しているキリンビールの新商品「KIRIN off white」。従来のマスマーティング手法を見直し、プロモーションのみならず、ブランディング方法を一から開拓している。
ビール離れの理由を探る
キリンビールが今年9月に発売を開始した「KIRIN off white」(以下、オフホワイト)。「ベルジャンホワイトタイプ」という小麦麦芽を使ったホワイトビール的製法で、苦みを抑えたほんのり甘い飲み心地が特徴だ。コンセプトは「自分らしく過ごしたいオフタイムに心地よい気分をお届けする、軽快でフルーティーな発泡酒」。陶器のような質感のシンプルなパッケージからも、これまでのビール類とは路線が異なることが伝わってくる。
「ビール類のメインターゲットは男性ですが、女性も好んで飲んでもらえるような商品を作りたいという思いが起点にありました」と話すのは商品開発を手がけたキリンビールの北島苑さん。若い世代のビール離れという現状も見つめ直し、その理由を探る中で「ビールの男性的なイメージに距離感があり、既存のビール類と文脈自体を変えるべきなのではないか」と考えた。さらにビールが生活に根付いていないゾーンを定めていく過程で、性別で区切るのではなく ...