地域とデザイナーが組んで商品をつくる、これまでにもよく聞いた話である。今年スタートしたブランド「KIKOF」には、「よくある話」では終わらせない、という両者の強い思いがある。
自分たちの原点から発想する
「KIKOF( キコフ)」は、「Mother Lake Products Project」という活動をきっかけに生まれたプロダクトブランド。グラフィック、プロダクト、ファッションなど幅広い分野でデザイン活動を行うキギと、滋賀県の琵琶湖周辺を拠点に活動する伝統工芸の技術者たちによって共同開発が進められている。今年3月に1st プロダクトとして、信楽焼のテーブルウェアを発表。その後も国内外で展示会を継続している。
このプロジェクトは立命館大学経営学部に設立されたDesign Management Labと、滋賀県商業振興課、滋賀県の伝統工芸づくりに携わる有志によって、2010年秋にスタート。プロジェクトを立ち上げた佐藤典司先生とキギ 植原亮輔さんが知り合ったことが参加のきっかけとなった。「当初は僕らが伝統工芸の技術を使って一体何ができるのだろうか。プロジェクトに参加できてうれしいと思う一方で ...