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新商品開発のためのチームとアイデア

どんなに小さなことでも、新しい開発につながる種を見つけていく

TBWA\HAKUHODO\QUANTUM

蛍が美しい光を放つように、夜間、自転車で走る人が身体にまとい、光を放つ自転車アクセサリー「city firefly(街の蛍)」。2014年レッド・ドット賞デザインコンセプト部門でベスト・オブ・ザ・ベストを受賞した、このプロダクトを企画・デザインしたのは、TBWA\HAKUHODO\QUANTUM(以下、クオンタム)だ。

01 夜、蛍のように光る「city firefly」。

個人の発想を重視する

クオンタムは、TBWA\HAKUHODOが広告の領域を超えたビジネスを展開するために設立した組織だ。同社では現在、3つの事業を掲げている。ひとつ目は大企業とスタートアップ企業による事業開発の支援、二つ目はオープン・イノベーションやデザイン思考の手法を用いたコンサルティングや共同事業開発など。そして3つ目に、革新的なプロダクトやサービスやソリューションの開発を挙げている。「city firefly」は、この3つめの事業「クオンタム・メイカーズ」から生まれたプロダクトだ。「世界を変えたイノベーションの多くは、個人の思いやパッションから生まれており、アイデアファーストで後からビジネスがついてくることも少なくありません。クライアントありきではなく、社会のニーズに応えたり、個人の発想で前向きに面白いことができれば、それがいつかはビジネスにつながるのではないか。そんな発想で設けられたのがクオンタム・メイカーズです」と、同社アクセラレーター事業責任者 井上裕太さん。社内には工房が設けられ、誰でもすぐにプロトタイプなどをつくることができる環境が整えられている。

クオンタムでは社内だけではなく、TBWAや博報堂のクリエイター、ときには外部の人を招いて、テーマを設け、分科会のようなスタイルでブレストを実施している。その場でアイデアだけではなく、社会的なニーズやグローバルのトレンドも共有。それによって、新しい開発につながる種を見つけ、さらなる議論を重ねていく。こうしたブレストは日常的に行われているという。

現実と理想のギャップを埋める

「city firefly」は、同社チーフプロダクトデザイナー 内間らうざさんが近年の自転車のグローバルトレンドに着目したことから ...

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