震災後、購入した防災キット。しかし、すぐに使いたいときに手が届く場所にない――。そんな課題を解決すべく、企画されたのが「THE SECOND AID」だ。

01 THE SECOND AIDの中に入っているものを広げた様子。
小田原さんは自身の経験から、「例えば車の中に閉じ込められて動けなくなったとしても、最低限の安心が得られる」ようなものが必要と考えた。キット制作にあたり、このパッケージに収まり、なおかつ必要なものを厳選したという。
経験から求められたコンパクトなパッケージ
「THE SECOND AID(セカンドエイド)」は、仙台にある物流機器などを扱う商社高進商事とwikiサイトのプロジェクト「OLIVE(オリーブ)」を運営していたデザインファームNOSIGNER(ノザイナー)が共同開発した防災キット。今年8月に販売を開始した。2011年の震災後、防災セットに注目が集まり、これまでにもいくつかのメーカーなどから発売されているが、セカンドエイドは他とは異なる特徴を持つ。その一つが、コンパクトなサイズで、一般的な本棚に収まること。そして、「OLIVE」に集まった情報を再編した書籍『OLIVE いのちを守るハンドブック』から抜粋し、災害時に必要な情報をまとめたA4サイズの冊子が収められていること。
「震災後、仙台は防災に関する意識や備蓄率が高くなりました。ところが、防災セットをどこに置いてあるの?と聞くと、押入れの中だったり、倉庫だったり。ときにはどこにしまったかわからないという人もいる ...