宣伝会議は4月23日、24日の2日間にわたり、東京国際フォーラムで「AdverTimes Days 2019 Spring」を開催。宣伝会議が発行する4媒体『宣伝会議』『販促会議』『ブレーン』『広報会議』が関わる、マーケティング、宣伝、販促、経営企画、クリエイティブ、広報などの分野の実務家が集まり、72のセミナーと59のブース展示を実施した。
今年の「アドタイ・デイズ」のテーマは「HOPE」。目の前の課題より少し視線を上げて未来を見つめ、そこに新しい希望を見つけることができないか、議論を行った。本号では、マーケティング・広告界で活躍する登壇者らによるセミナーの様子をレポートする。
資生堂ジャパン「uno」の認知リフト率は4倍に広がる、タクシーサイネージという選択肢
男性用化粧品ブランド「uno」のプロモーションにタクシーサイネージ「Tokyo Prime」を活用する資生堂ジャパンの堀一臣氏と、「Tokyo Prime」の提供を行うIRISの高橋朋未氏が登壇。「Tokyo Prime」が選ばれる理由やプロモーションの成果について対談が行われた。
「Tokyo Prime」は、タクシーの助手席のヘッドレスト裏に設置したサイネージから、乗客に向けて広告を配信するサービス。男女問わず可処分所得が高く、健康意識や美意識のあるビジネス層にリーチできる。タクシーという空間で音声付き動画を視聴してもらうことができるため、視認効果の高さが期待されている。
今回プロモーションを行ったのは、「uno」のスキンケア商品ラインだ。メンズスキンケア市場は近年拡大傾向にある一方、使用率は男性全体の3割にとどまっていることから、さらなる使用者数の増加を目指した。
ターゲットは10~30代男性。テレビCMだけではターゲット層にリーチしきれないことが課題だった。そこで接触態度が良く、視認効果の高いタクシーサイネージも使用し、狙いたいターゲットに向けて、30秒の動画広告を配信した。
その結果、インプレッション数は2週間で80万に到達。事後のアスキング調査では広告認知率が51%だったことから、リーチ人数は推定41万人。期間中にタクシーに乗車した人、しなかった人を対象に認知リフト率を調査したところ、393%と非常に良好な結果を得ることができたという。最後に堀氏は、「他のメディアや施策と比較しても、投資対効果は優秀。今後は年間を通じて『Tokyo Prime』を検討したい」と語った。

資生堂ジャパン
パーソナルケアマーケティング部
アシスタントブランドマネージャー
堀一臣氏

IRIS
セールスマネージャー
高橋朋未氏

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株式会社IRIS
担当:高橋
E-MAIL:info@tokyo-prime.jp
オフライン施策として注目されるポスティングチラシは記憶に残りやすいメディア
新聞の発行部数の減少に伴って折込チラシの世帯カバー率が減少する今、ポスティングが注目を集めている。会社設立から20年以上ポスティングを手掛けるアドワールド 代表取締役の佐々木実氏が、ポスティングのメリットや効果を紹介した。
新聞の折込チラシと比較すると、新聞は各メディアの販売店が管轄するエリア単位での配布になるが、ポスティングは町丁目単位で、狙ったエリアへの配布ができることがメリットのひとつとして挙げられる。配布世帯のカバー率も、新聞折込では世帯購読率に依存するが、ポスティングであれば8割をカバーする。戸建て限定、集合住宅限定、事業所限定などのセグメント配布や、同業種を同梱で配布しないよう制限することも可能になる。
さらに、ポスティングであればチラシが単体でポストに投函されることから、佐々木氏は「家に入る前にポストからチラシを手にし、玄関を通って家に上がるまでの間に、チラシの内容を目に留めてもらえるチャンスがある」と強みを語った。
続いて佐々木氏は、昨年2月に「アドバタイムズ」に掲載された早稲田大学教授 恩藏直人氏の記事も紹介。紙メディアは、電子メディアと比較して内容が記憶に留まりやすく、理解度も高いことが実験から証明されていると話した。
中には預かったチラシを配り切れずに廃棄してしまう悪質な業者も存在するというポスティング業界。「当社は預かったチラシはすべて配布することを大前提としている」と話し、ポスティングを実施する際には業者の見極めが重要であることを呼び掛けた。

アドワールド
代表取締役
佐々木実氏

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