宣伝会議は4月23日、24日の2日間にわたり、東京国際フォーラムで「AdverTimes Days 2019 Spring」を開催。宣伝会議が発行する4媒体『宣伝会議』『販促会議』『ブレーン』『広報会議』が関わる、マーケティング、宣伝、販促、経営企画、クリエイティブ、広報などの分野の実務家が集まり、72のセミナーと59のブース展示を実施した。
今年の「アドタイ・デイズ」のテーマは「HOPE」。目の前の課題より少し視線を上げて未来を見つめ、そこに新しい希望を見つけることができないか、議論を行った。本号では、マーケティング・広告界で活躍する登壇者らによるセミナーの様子をレポートする。
デジタルとアナログを組み合わせる 実証実験から得られた大きな成果とは
デジタルか、アナログか。二項対立に囚われずに情報収集や購買を行う現代の消費者。マーケティングにおいても、デジタルとアナログの手法を組み合わせた施策が検討されるようになってきた。
こうした状況の中、日本郵便は3年にわたってデジタルとアナログを組み合わせたマーケティングの実証実験を行っている。元日本郵便で、実証実験を推進してきたイーリスコミュニケーションズの鈴木睦夫氏は、実験の成果について良好な結果を得ていると話す。Eメールにダイレクトメール(DM)を組み合わせることで、Eメールのみを送付したときに比べ、Webページへの誘導率が60倍、CV数が5倍にもなった例も出ているという。
アジャイルメディア・ネットワークの徳力基彦氏は、こうしたDMの効果について、「かつては私自身も、Eメールが無料で何回でも送れる時代に、お金がかかるDMを活用するという選択肢は考えられなかった。しかし、近年Eメールの開封率が低下してきているなかで、こうしたアナログなものは逆にデジタルで拡散されやすい」と語った。
しかし、デジタルとアナログを組み合わせたマーケティングを実施したいと考えても、社内の理解がないばかりに、予算や人的な協力が得られない場合も多い。
鈴木氏は、「部署横断の協力関係は難しいといった声も聞かれますが、いまマーケターは危機感を覚えている。同じ言語で話す機会を設ければ、連携は始まる」とした上で、「デジタルとアナログを分断せずにコミュニケーションを設計する時代を迎えている。だが、両者を組み合わせる知見は、実際に取り組まなければ蓄積されない。必ず学びがある以上、失敗はしないので挑戦してほしい」と総括した。
お問い合わせ
日本郵便株式会社
〒100-8792 東京都千代田区大手町二丁目3番1号
E-MAIL:info_dm.ii@jp-post.jp
URL:http://www.post.japanpost.jp/index.html
世界中でインストール数が爆発的に伸長 「TikTok」マーケティング活用術
国内では2018年末に月間アクティブユーザー数950万人を突破し、海外でも150カ国、75の言語にも対応している動画投稿アプリ「TikTok」。そのユーザーは一度アプリを起動すると、1日に120本から150本の動画を視聴している。
「TikTok」がヒットした理由として鈴木氏は、機械学習アルゴリズムをコンテンツレコメンデーションに活用することでユーザーごとに最も関心があるコンテンツを最適化して提供することができるテクノロジー、そして①通信速度の加速化と通信データの大容量化、②携帯料金値下げ、③ダンスの必修化による自己表現への意識変化、という3つの外部要因を挙げた。
鈴木氏は、「いまTikTokのキーワードは"ダイバーシティ"。投稿内容、利用者はいずれも多様化している。もはやニッチなプラットフォームではないことを理解してマーケティングに活用してほしい」と話した。
活用法として、アプリ起動時や動画視聴時に挿入される広告2種と、ユーザー投稿型のキャンペーン「ハッシュタグチャレンジ」の説明があった。ほかに高いエンゲージメントの形成やブランドリフトに成功した企業の事例や、シンプルに情報を取り込むことがCTRに効くといった成功の方程式が紹介された。
今後の展望について鈴木氏は、「機械学習と深層学習によって生活者が接触する情報はレコメンドされる時代になるのではないか。さらに、レコメンドされるだけではなく、共感され、アクションにつなげることが重要。TikTokはこのモデルにフィットし、リードしていくと考えているので、ぜひ活用してほしい」と話し、講演を締めくくった。
お問い合わせ
ByteDance株式会社 X Design Centerお問い合わせ窓口
TEL:03-6258-0188
URL:pr@tiktok.com