宣伝会議は4月23日、24日の2日間にわたり、東京国際フォーラムで「AdverTimes Days 2019 Spring」を開催。宣伝会議が発行する4媒体『宣伝会議』『販促会議』『ブレーン』『広報会議』が関わる、マーケティング、宣伝、販促、経営企画、クリエイティブ、広報などの分野の実務家が集まり、72のセミナーと59のブース展示を実施した。
今年の「アドタイ・デイズ」のテーマは「HOPE」。目の前の課題より少し視線を上げて未来を見つめ、そこに新しい希望を見つけることができないか、議論を行った。本号では、マーケティング・広告界で活躍する登壇者らによるセミナーの様子をレポートする。
AIRDOの取り組みから紐解く 生活者に愛されるデジタルマーケティングとは
電通グループのマーケティングとコミュニケーション領域のノウハウを武器に、ITソリューション事業を提供する電通国際情報サービス。同社の亀山幸代氏は、昨今のデジタルマーケティングのトレンドとして次の3つを挙げて、解説した―①リアルタイム性を重視、②ワントゥワンを意識した人間味あふれるコンテンツが人気、③LINE、SNSなど最適なチャネルを組み合わせてシーンで使い分ける傾向がある。
また北海道の航空会社AIRDOとの取り組み事例を紹介。亀山氏は、「2016年にエアラインで初めて、LINEビジネスコネクトを使用した搭乗サービスを開始するなど、様々なデジタルチャネルを取り入れたことで、利用客は前年比13.6%増(2016年度速報値)と過去最多に。LCC参入による苦境からV字回復に成功した」と説明した。
後半はAIRDOの販売促進を担当する山田遥氏から、2016年12月から開始しているオウンドメディア「Yorimichi AIRDO」の制作現場での生の声、そして「旭山動物園でのリアルに迫ったインタビュー記事や、好きなラーメン屋を100名に聞いて、トップ5の店に足を運びラーメンの汁まで飲み干して記事にするなど、北海道をよく知る社員が体当たりの取材を行うことで、AIRDOの体温を感じてもらい顧客エンゲージメントを高めることができた。また地元企業とのタイアップキャンペーンなどで相互にファン層を拡大することができた」と具体的な成果が話された。
最後に「生活者に愛されるデジタルマーケティングには、先進のテクノロジーと愛情をこめたコンテンツづくりの両方をミックスさせた施策が重要だ」と亀山氏が総括した。
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データを利活用した新時代におけるスポーツメーカーの顧客接点づくり
スポーツ用品メーカーのデサントは、現在の卸売り中心の販売方法から、今後は直営店及びECを強化し、自主管理売り場の売り上げ比率を高めることを目指している。そのためには直営店とECを融合させるオムニチャネル化の推進も必須だ。
そこで重要となるのは顧客との接点において、最適なサービスを提供すること。「当社の顧客はスポーツを遊び、楽しみたい人。その層が触れるあらゆる接点をつながりのあるものとし、より良いブランドやサービス体験を提供することでロイヤリティを高めていくことが重要。その中でも『お店』が最重要な接点である」とデサントの古井戸氏は話した。
デサントジャパンの湊氏は、それぞれの顧客接点をつなぐ4つのO2O戦略について解説しながら、各接点でのコミュニケーションを点から線にしていくことが重要だと指摘。現状の課題に触れながら、店舗でのメンバーズカードの提示タイミングを来店時に変え、顧客情報を元にニーズにあった接客をすることや、限定商品の販売など、「コトとモノ」で店舗の魅力を高めていく方向性を紹介した。
加えて「CRM活動によるECとリアル店舗の融合でオムニチャネルを推進したい。そのためには各接点で取得できるデータの統合が重要。トレジャーデータさんのソリューションを活用しながら、データの利活用を進めていく」と話した。
最後に古井戸氏が「リアル店舗でもECでも買ってもらっておしまいではなく、様々な接点を有機的につなげた顧客体験の向上が重要。それを生かすためにも接客や販売方法の改革がある。デジタルを活用しつつ、自然な形でお客さまに利便性を感じてもらうことが必要」と話した。
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