宣伝会議は4月23日、24日の2日間にわたり、東京国際フォーラムで「AdverTimes Days 2019 Spring」を開催。宣伝会議が発行する4媒体『宣伝会議』『販促会議』『ブレーン』『広報会議』が関わる、マーケティング、宣伝、販促、経営企画、クリエイティブ、広報などの分野の実務家が集まり、72のセミナーと59のブース展示を実施した。
今年の「アドタイ・デイズ」のテーマは「HOPE」。目の前の課題より少し視線を上げて未来を見つめ、そこに新しい希望を見つけることができないか、議論を行った。本号では、マーケティング・広告界で活躍する登壇者らによるセミナーの様子をレポートする。
GIFはターゲットや伝えたい切り口を絞り込んで伝えることができる広告手法
超短尺動画「GIF」は、「動く静止画像」ともいわれ、近年のモバイルデバイスやSNSの普及により脚光を浴びている。パネルディスカッションでは、GIFMAGAZINEの住田博人氏をモデレーターに、同社代表取締役社長/CEOの大野謙介氏と東京個別指導学院の早川剛司氏がGIFマーケティングの活用事例を中心に話し合った。
"日本一のGIF好き"を謡うGIFMAGAZINEの大野氏。講演前半、「世界各地ではGIFを政治や芸術、広告に活用している。米国のユニクロでも、100人の作家がつくったGIFのクーポンを、ソーシャルメディア上で獲得できるサービスなども実施している」と世界動向を説明した。
後半は、GIFMAGAZINEが制作した東京個別指導学院のプロモーションGIF動画を視聴しながらディスカッションが行われた。「GIFの魅力は3秒ループといって一瞬で解釈でき、かつカジュアルに楽しめるのが利点。ただ面白いだけではなく、動画広告とは違う世界観の中で、広告としてのメッセージを盛り込みたかった」と大野氏は言う。
そこで現地の教室などを視察し、沢山の切り口から絞り込んだのが「部活両立編」「熱烈歓迎編」など、東京個別指導学院の日常のホスピタリティを訴求するGIF動画6作品だ。
東京個別指導学院の早川氏は、「Twitterキャンペーンの平均と比べ、約4倍のエンゲージメント率を獲得した。短尺の動画でありながらずっと見続けてしまうメリットがあった」と高評価。それに対して大野氏も、「GIFは、ひとつの切り口をシンプルに伝えることができる手法。GIFを活用したSNSキャンペーンなど、面白い企画にぜひチャレンジして欲しい」と語りかけた。

GIFMAGAZINE
代表取締役社長/CEO
大野謙介氏

東京個別指導学院
マーケティング部 部長
早川剛司氏

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顧客の感動体験を向上させるクラウド型のARマーケティング施策
「Pokémon GO」を皮切りに、数多くのAR関連のサービスがリリースされる中、ARを企業のマーケティングに活用する例が注目されている。ARアプリケーションなどを開発するスターティラボ 取締役の小友康広氏は、「現実世界とバーチャルの世界をミックスするのがARの特徴。ARの分類には大きく分けて、人をある場所に導く『GPS型』、空間の上に人やモノを出現させる『空間認識型』、画像を認識した上に動画や3Dコンテンツを重ね合わせて新しい体験を創造する『マーカー型』の3類型がある」と解説する。
この「マーカー型」を活用したAR開発の一例が、江崎グリコのアーモンドピークの販促キャンペーンだ。初音ミクがデザインされたアーモンドピーク1箱に1枚「ARカード」が封入されており、カードをARアプリで読み込むと、初音ミクのアクションを見ながらオリジナルソングを聴くことが可能。「ARを活用した体験が、商品の爆発的ヒットにつながった」と小友氏は分析する。
一方で、アプリをダウンロードしなくともブラウザがあれば、手軽にAR技術を体験できるのが「Web AR」だ。「属性ごとにユーザーを追跡でき、時間や場所でコンテンツを切り替えたり、特定ユーザーにプッシュ通知を送信したり、マーケティングの次の一手につなげることができる」という。
スターティアラボは、これらのAR技術を集約し、クラウド型ARサービス「COCOAR(ココアル)」を開発、提供している。体験特化型のマーケティングツールで、現在はアプリダウンロード数が210万を突破。1700社の導入実績を有する。「今後は5Gが導入されることでさらにARを活用する時代がやってくる」と小友氏は語った。

スターティアラボ
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