広告マーケティングの専門メディア

           

宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

戦略に基づくブリーフシートが 優れたクリエイティブを生みだす

川嵜 鋼平 氏(LIFULL)

今月のテーマ:現代「宣伝部門」の仕事

メディアプランニングや広告制作など、デジタルの登場で近年、企業の「宣伝部門」の仕事は大きく変化してきました。今号は、広範かつ新しい役割や機能が求められるようになった現代「宣伝部門」の仕事の世界をクローズアップ。広告界の一線で活躍してきたプロフェッショナルと若手宣伝担当者から、宣伝部門の現在地が見えてきます。

    これからの現代「宣伝部門」の仕事

  • クリエイティブディレクションは、広告宣伝に留まらず、統合的かつ横断的に方向性を示したり、統括していく仕事。
  • ブリーフシートは、クリエイターにとって表現を考えるための"材料"。綿密なつくりこみと"余白"が大切。
  • 「SDGs」「サステナブル」といった文脈は、宣伝部員であっても持っておくべきマインドセット。

クリエイティブディレクションは広告表現に留まらない

はじめまして、LIFULLのCCO(Chief Creative Officer)の川嵜と申します。私は今、全社的なブランド戦略、ブランドマーケティングから既存・新規事業のブランドデザイン、プロダクトデザインといったコミュニケーションデザイン、PR領域を統括しています。そして先端テクノロジーを活用したR&Dなど様々な仕事に携わっている立場から、宣伝部門におけるクリエイティブディレクションをテーマにお話ししたいと思います。

クリエイティブの話に移る前に、昨今のマーケティング環境下で欠かせなくなってきている、ブランディングやデザインについて補足しておきます。2018年に経済産業省の「『デザイン経営』宣言」発表に象徴されるように、企業の競争力においてブランドやデザインが重要視されています。背景のひとつとしては、日本企業が目を向けがちなテクノロジーや機能、あるいはサービスの仕組みといった特徴は模倣が容易なために商品の差別化が難しく、価格競争に陥りやすいという理由があります。

こうした背景もあって、宣伝部門に対してブランド価値を向上させるような広告宣伝、ブランディング活動が求められるようになったわけですが、適切なブランディングを実践するためにはクリエイティブディレクションが欠かせません。

クリエイティブディレクションは多義的な言葉ではありますが、当社では、その定義を広告や表現に留まらないものと考えています。広告主企業の宣伝部門におけるクリエイティブディレクションとは、事業や商品そのものから、プロモーション、PRといったコミュニケーション活動全般を、統合的かつ横断的に方向性を示したり、統括していく仕事だと捉えています …

あと65%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本 の記事一覧

戦略に基づくブリーフシートが 優れたクリエイティブを生みだす(この記事です)
ソフトバンクの若手宣伝部員が語る、広告・宣伝の仕事の魅力
定石のない時代 宣伝部員は自ら『教科書』をつくる気概を
「BtoB企業におけるコーポレートブランディング」の成功事例
共創時代のBtoB企業ブランディング 「誰のため、何のため」の明確化から
コーポレートブランディングは有言実行の企業姿勢から
「コンテンツマーケティング」の成功事例
欧米で躍進中のDNVBに学ぶ コンテンツを活用したブランディング
マーケティングの変遷から理解する オウンドメディアを軸としたコンテンツ活用
『7割』で勝負をかける! 高精度な意思決定に繋がる会議の極意
企画とは幸福に向かうヤジルシ 3つの接続詞からアイデアが生まれる
ソボクな疑問を解決 「広告音楽」にまつわるQ&A
ソボクな疑問を解決 「ラジオCM」にまつわるQ&A
宣伝会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する