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宣伝担当者が知っておきたいクリエイティブの基本

『7割』で勝負をかける! 高精度な意思決定に繋がる会議の極意

前田 鎌利 氏

今月のテーマ:アイデア発想・企画力を養う

生活者の行動が複雑化した現在、実益性と実現性を兼ねた企画を設計するためには、ますます「発想力/企画力」が必要とされる時代になっています。このことは宣伝担当者やクリエイターに限らず、これからのAI隆盛の時代を考えれば、あらゆるビジネスパーソンにとっても他人事とは言い切れません。個人と組織、それぞれのレイヤーで優れたアイデアを発想するための方法論をプロフェッショナルが解説します。

    会議の品質を高める、3つのポイント

  • 品質の高い会議とは「意思決定が行われる会議」。
  • 迅速に高精度で意思決定を行うためには「7割」の確度で勝負をかけることが重要。
  • 会議を改善するためには、参加者一人ひとりが「一座建立」の意識を持つべき。

指針となるのは「7割」 会議とは"物事を決定する"場

ビジネスパーソンは約10万時間を企業に所属して過ごすと言われています。また、そのうちの4万時間を会議で消費するのです。この4万時間をあなたならどう過ごしますか?会議の品質を上げることは、あなたのビジネス人生の品質を上げることにつながります。品質の高い会議を行うことで企業や組織のアウトプットの精度が高まり、会社の売上、利益、そして信頼や企業文化といったものが醸成されていきます。

それでは、品質の高い会議とはどういった会議のことを言うのでしょうか?ひと言で表すと「意思決定が行われる会議」です。会議とは、関係者が集まって相談をし、物事を決定すること(「大辞林」より引用)と示される通り、まさに、会議は意思決定をすることそのものなのです。ただの情報共有の場や、何も決めない・何も決まらない会議はそもそも会議とは呼べないものと言えます。

そして意思決定をする上では、「スピード」と「精度」の2つを意識することが必要になってきています。まず「スピード」ですが、昨今の働き方改革で就業時間のみならず、会議の時間が削減されています。今までは1時間で行っていた会議を、例えば30分で意思決定をすることに重点が置かれ、スピードを意識せざるを得なくなってきました。

次に提案する内容の「精度」も高いものが要求されます。準備するデータの精度、事実や現状の把握における精度などです。

この2つを意識しながら意思決定を行う上で指針となる軸を持たなければなりません。それが先に提示した「7割」というキーワードです。私がソフトバンク時代に孫正義社長から教わった経営哲学に、25の漢字から成る「孫の二乗の兵法」という考え方があります。孫子の兵法とランチェスター戦略から孫社長が導き出したもので、その中に"七"という文字があります。

それにちなんだ「7割」には「7割で勝負をかけろ 9割まで待つと手遅れ 5割で戦うのは愚かだ」という意味合いが込められています。ですから、7割という基準を自分の中に持つ必要があるのです。とはいえ、この7割は人によって大きく異なります。どうすれば適切な7割の基準を持つことができるのでしょう?

その答は、あなたの上司やあなたが所属している企業のトップの判断基準を知ることにあります。「どれくらいのデータがあれば7割と判断されるだろうか?」「どれくらいの完成度であれば7割に達していると判断してくれるであろうか?」。これらを絶えず観察して上司の判断基準を自分のものにしていくことが不可欠なのです。

さて、これまで会議術について解説してきましたが、どの部署であっても、どの役職であっても必要なスキルと言えます。どの部署においても会議が発生し、時にはファシリテーター、時には参加者、時にはプロジェクトオーナーなど、様々な立場で会議に参加します。会議に参加する以上は、アウトプットが極大化できるように普段から準備をしておく必要があります。

一人ひとりに求められる「一座建立」の意識

ここで皆さんの会社の会議が、有効に機能しているかをチェックしてみましょう。下の10項目の質問に3つ以上該当する場合は、早急に会議を見直す必要があります。

    ☐ 1. 決まらない
    ☐ 2. 発言しない人がいる
    ☐ 3. 話が長い人がいる
    ☐ 4. 会議が長い
    ☐ 5. 会議が多い
    ☐ 6. 人数が多い
    ☐ 7. 会議開催の回数が多い
    ☐ 8. 資料がわかりづらい
    ☐ 9. 目的・ゴールが不明確
    ☐ 10. ファシリテーターが未熟

図 会議チェックリスト

いかがでしょうか?最も好ましくないのは、何も決まらない会議です。限られた時間内にいかに意思決定するか。そのためには、参加者の意識が一番大切になってきます。その意識の持ちようにおいて、「一座建立」という茶道の言葉がまさに合致します。「一座建立」とは、「茶道で主客に一体感を生ずるほど充実した茶会となること。この会に顔を合わせた人々は心を合わせて、より良き会になるようにと、気持ちを尽くすということ」です。

会議もまさにこの言葉の通りで、会議に出席した者同士が心を合わせてより良き会になるように気持ちを尽くすことが大切なのです。ところが大企業ともなると部署間の対立や縦割りになった組織のために企業全体の理念やビジョンに目を向けず、それぞれが所属している部署の存続・存在価値、個人の負荷を軽くすることなどに意識が偏りすぎて「一座建立」がなされていないのが現状ではないでしょうか? …

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