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開局50周年、震災10年目 防災情報への感度上げ、県民の命守る

福島中央テレビ 『ゴジてれChu!』

ローカルで人気のテレビ番組や地元情報をきめ細かく伝える新聞・雑誌の編集方針や人気の秘密、つくり手の考え方を紹介します。

    福島中央テレビ『ゴジてれChu!』
    放送日 月曜~金曜 15時50分~19時
    放送開始 2008年3月
    放送エリア 福島県
    出演者 石井佑弥、長江麻美、緒方太郎、野尻英恵、永井麻葵、畑山弥保(いずれも福島中央テレビアナウンサー)ほか
    スタッフ数 プロデューサー3人、ディレクター15人

    人気のコーナー

    「ブンケン歩いてゴミ拾いの旅」(月曜日)
    郡山市出身の俳優・鈴木文健(すずき・ぶんけん)が、県内各所でゴミを拾い歩きながら地元住民と交流するコーナー。「私たちで汚したゴミを拾わせてしまって申し訳ない」「一緒にゴミ拾いをしたい」などと視聴者からの反響が多く寄せられている。

    「FANTASTICS 畑」(隔週月曜日)
    FANTASTICS from EXILE TRIBEの澤本夏輝が県内の旬の畑を訪ねて、食をリポート。農家の人たちとコミュニケーションをとりながら、畑仕事や収穫の大変さを“泥臭く”学ぶ澤本の人柄が魅力のひとつ。

福島中央テレビが平日の夕方に生放送している『ゴジてれChu!』。「4→6時中(しろくじちゅう)をふくしまに」がキャッチコピーの情報番組だ。コピーの「4→6時中」は、県内情報を扱う「4時台と6時台」の意味と、四字熟語の「四六時中」を掛け合わせている。

メインターゲットは、主婦をはじめ、夕方の時間帯に在宅している層だ。一方で、子どもにも楽しんで見てもらえるような視聴者参加型のゲームコーナもあり、オールターゲットを意識した番組となっている。

同テレビ局は2020年で開局50周年を迎えた。また、県内民放4局で全日視聴率が2015年7月から287週連続で1位を獲得(2021年1月30日時点)。これは『ゴジてれChu!』が常に高視聴率を維持していたことが要因のひとつだという。

「什(じゅう)の掟」ならぬ「Chuの掟」

第1部(15時50分~16時50分)は主に、週替わりのVTRコーナーをメインにグルメや街の紹介といった旬の生活情報を届けている。

しかし、地震などの災害がひとたび起こると、第1部からニュースに切り替えるようにしている。背景には、東日本大震災で得た教訓があった。「『福島県民が“生きる”ために必要な情報を届ける』という番組の使命は、制作部内で『Chuの掟』として共有されています」、そう語るのは同番組のプロデューサーの堀田泰裕氏だ。これは、「ならぬことはならぬものです」で知られる会津藩の「什(じゅう)の掟」になぞらえた、番組制作の基本姿勢だ。「福島県民の命や財産を守ることにつながっているのか」など5つの掟で構成されている。

堀田氏は「『この掟に当てはまらない番組の進め方や企画はやらない』というのを、番組担当者の共通認識として持っています。報道部ではない制作部のディレクターであっても、地震が起きたら県民の命を守ることにつながる情報に切り替えています」と語る。

この掟以外にも、企画内容を考える上で意識していることがある。それは「基本に忠実で、奇をてらったことをしない」ことだ。「東京から人気のタレントを呼んだからといって、キー局と同じように笑いが取れて...

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