報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
日本経済新聞社『日経産業新聞』編集部DATA | |
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『日経産業新聞』は日本経済新聞社の専門紙として、1973年に創刊。毎日約300~400社の企業情報を掲載し、最先端技術の開発や新製品・サービスなどを伝えている。
紙での発行に加え、一部記事は有料会員数約70万人を誇る『日本経済新聞電子版』にも転載。2018年12月には紙面ビューアーアプリのサービスもスタートし、登録者数を増やしている。ターゲットは、就活生からシニアまで幅広い年齢層のビジネスパーソンだ。企業動向を詳しく知りたい証券アナリストや個人投資家、先端企業に関心のある研究者らからの信頼も厚い。
スタートアップ企業に着目
同紙は1973年の創刊以降、主に自動車、電気、素材といった重工業のものづくり産業について重点的に報じてきた。一方、近年力を入れている報道は、新市場でイノベーションを起こしているスタートアップ企業や、最先端テクノロジーに関する特集だという。こう語るのは、2020年4月から編集長に就任した山腰克也氏だ。
山腰氏は「21世紀以降、ITバブルなどを経て日本の産業構造が大きく変化し、イノベーションの主役がスタートアップ企業へと移ってきました。その潮流を捉えて取材し記事化していくことによって、新しい読者の獲得にもつなげたいと思っています」と話す。
2019年春から約1年にわたって連載した「沸騰5G」では次世代通信規格の5Gを、「XaaS(ザース)の衝撃」ではあらゆるモノをサービスとして提供するXaaSについて詳報。日経電子版にも配信され、若い世代を含め幅広い読者から高い反響を得た。
日本経済新聞にはないミクロな情報を報じるのも日経産業新聞の強みだ。取材対象はスタートアップや中小企業など「『日経で取り上げるにはまだ早いかな、さほど有名ではないかな』というような企業を積極的に取り上げるようにしています」と山腰氏。そのような企業の事例から、イノベーションや経営戦略の最先端が見えてくるという。
日経産業新聞の看板企画のひとつが...