報道対応を担当するPRパーソンにとって、気になるのがメディアの裏側。企業取材のスタンスや、プロデューサーや編集長の考えに迫ります。
テレビ東京『たけしのニッポンのミカタ!』番組DATA | |
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身近な社会現象を取り上げる、知的エンターテインメント番組『たけしのニッポンのミカタ!』(テレビ東京)。毎週金曜22時からの放送で、特に40歳以上の世代からの支持が厚い番組だ。
40人の全体会議で疑問を集約
番組のコンセプトは「日本全国にある知られざる秘密を紹介」。放送回ごとにテーマが設定され、VTRとスタジオトークが混じる形で進行する。司会を務めているビートたけし、国分太一の2人とゲストが繰り広げるトークも魅力だ。
プロデューサーの矢部宏光氏によると、テーマを考える際には“日常生活の中にある経済”を意識している。例えば「ブームのウラ側に密着!鍋大好きニッポン人」(2020年2月21日放送)や「ガラクタで賢く小遣い稼ぎ!ミカタ流不要品売却術」(2020年2月7日)など。「そういえば、よく知らないかも」といった素朴な疑問から始まる企画が多い。
各回のテーマについては、制作スタッフ計約40人で行われる全体会議に加え、10人前後の班で集まる分会でも議論する。スタッフが最近街中で見かけるものや、日常生活で感じた疑問を会議の場で持ち寄り、話し合っていくうちにテーマに選ばれることも多いという。
その一例が久世福商店。会議で「最近、ショッピングセンターで“久世福商店”をよく見かけるけど、何のお店なんだろう?」という話題があがり、共感する人が多かったため調査した。すると、長野県を本社とするサンクゼールという会社が運営しており、ユニークな視点で大ヒット商品を続々生み出していることが分かり取材をすることが決まった。実際に、2020年3月13日放送の「目の付け所で勝負!『○○だけの店』増殖中!」で、久世福商店をはじめとするニッチな繁盛店を取り上げた。
ニッチさを追求した切り口
時勢や季節に合った話題も、テーマ設定の大きな軸のひとつだ。延期が決定した東京オリンピック・パラリンピックに関しては...