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地域活性のプロが指南

まとめサイトで拡散、台湾から観光客もやってきた「文の里商店街ポスター展」

日下慶太(コピーライター)

地域を活性化させるプロジェクトに携わる筆者が、リレー形式で登場する本シリーズ。関西の商店街を舞台にポスター展を企画してきたコピーライターの日下慶太さんが、新世界市場や文の里、伊丹市など、メディアの注目を集めた企画の裏側を解説します。

200枚を超えるポスターが文の里商店街アーケードに展示された。地元の買い物客はもちろん、メディアの取材効果も多々あって、大阪だけではなく、北は北海道、南は九州まで日本全国から人が訪れた。2014年2月12日の商店街フォーラムでは大阪商工会議所の佐藤茂雄会頭により表彰をしていただいた。

広報効果は4億円、密着取材も

今回は文の里商店街ポスター展(2013年8月28日~12月31日)について。こちらの方が話題になったので知っている人も多いだろう。前号で紹介した第1回の「新世界市場ポスター展」から順当に進化しており、大きく異なる点は2つ。まずは、大阪商工会議所という組織とのタッグ。次に、パブリシティの活用である。

*これまでの企画の会期は次のとおり。第1回「セルフ祭」:2012年5月25日〜27日/第2回「セルフ祭」:2012年7月28・29日/新世界市場ポスター展:2012年11月23日〜2013年1月13日/文の里商店街ポスター展:2013年8月28日~12月31日/伊丹西台ポスター展:2014年11月1日~2015年3月1日

(1)大阪商工会議所とのタッグ

文の里商店街でポスター展を開くきっかけとなったのは、大阪商工会議所で商店街振興を担当する堤成光さんの存在だ。次のポスター展をどこかでやれたらなと思いつつも、他につながりがあるわけではないぼくのところに、堤さんがやってきた。「大阪商工会議所の『商店街フォーラム』でこの事例を話してほしい」と依頼されたのだ。

商店街フォーラムとは日本全国の商店街のおもしろい取り組みを一同に集めて仕掛人が講演するという、全国の商店街関係者が注目するイベントである。商店街の品々を100円で売る「100円商店街」をお手本として自分の商売の奥深さを伝える「まちゼミ」など様々な事例が紹介されている。

2013年3月25日、ぼくも講演をした。“もしポスター展に興味がある方はアンケートに「開催希望」と書いてください”と締めくくると、およそ20の商店街が名乗りをあげた。「これだけ希望があるのならポスター展を一緒にやりましょうか」と、大阪商工会議所主催の「商店街・賑わいプロジェクト」の一環として行うことになった。

ぼくはぐるぐると大阪市内の商店街を回った。その数20ぐらいだろうか、その中から文の里を開催地とすることにした。理由は ...

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