地域を活性化させるプロジェクトに携わる筆者が、リレー形式で登場する本シリーズ。今回から、商店街を舞台にポスター展を企画してきたコピーライターの日下慶太さんが登場。大阪の新世界市場や文の里、伊丹市など、メディアの注目を集めた企画の裏側を解説します。

「新世界市場ポスター展」では電通関西の若手クリエイターにより、20店舗に計129枚が掲げられた。「おもろいもんつくれる、ひゃっほー」というやつから「これですべったら何にも言い訳できない」と恐怖心に怯えるやつまで、みんな一生懸命がんばった。
「寂しい商店街に逆戻り」の教訓
打ち切られない限りは今回より5回連載をさせていただきます、電通関西支社の日下慶太です。なぜ、ぼくが担当するかと申しますと、2012年から大阪や兵庫で開催してきた「商店街ポスター展」があったからに他なりません*1。初回はこのイベントがはじまった経緯と、大阪の「新世界市場ポスター展」(2012年11月~2013年1月開催)について。それではいってみましょう。以下、文体変わります。
商店街ポスター展とは、商店街各店舗のポスターを電通の若手スタッフがボランティアで制作し、それをアーケード中に展示するもの。電通関西支社のプロジェクトとしてテレビやネットで話題になったが*2、もともとは会社とは関係のないところからはじまったものだった。
画家・異空間演出家のコタケマンという人間が2012年5月、大阪で「セルフ祭」というのをはじめたのがきっかけである。彼が様々な人間に声をかけ、大阪の新世界市場という約半数の店のシャッターが下りてしまった商店街をアホで奇妙なアートやパフォーマンスで埋め尽くした。ぼくはプライベートで写真家として活動しており、写真を展示してくれと、セルフ祭に引きずり込まれたのであった。通天閣100周年ということで …