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地域活性のプロが指南

地域活性も「広報」の力で深い共感を引き出す

江副直樹(ブンボ)

地域プロデュースに携わる筆者が、リレー形式で登場する本シリーズ。九州を拠点に様々なプロジェクトを手掛けてきたブンボの江副直樹さんが、地域に「広報」という考え方の重要性を根付かせるまでのプロセスについて解説します。

「サンショウ」の高菜まんじゅう

「黒木たかっぽ」惣菜盛り付け中
食品であれば、美味しいことは基本中の基本だが、その事実は食べてみないと分からない。情報発信とは、食べなくてもその食べ物の存在を知らせ、美味しさを予感させることだ。そのためには、量や価格だけを知らせるのではなく、素材や生産、加工のこだわりまで伝える工夫が必要になる。誰が、どこで、どのように、どんな想いでつくっているのか。そのストーリーこそが共感を呼ぶ事実を肝に銘じたい。「食えば分かる」は、御法度。

知らないものは買えない。

かつてコピーライターとして仕事をしていた広告業界は、まさに知らせることが根幹の世界。その文章部分を担っていたわけだが、プロデュースにシフトしてからは、よりいっそう知らせることの重要さを再認識している。企業にしても地域にしても、広報の巧拙が大きく結果を左右する。僕の場合、この確信は年々強まっていて、広報をするかしないかではなく、いかなる広報計画を組み立てるかに関心は集中している。

換金される商品やサービスがあって、それをどなたかが買っていただければ商取引が成り立つ。これは、疑う余地のない大原則と言っていいだろう。だが、その商品やサービスの存在が知られていないがゆえに売れない、利用されないとすれば、商品やサービスの良否をあれこれ言う前に、まずは知らせることに注力すべきだと思うのだ。

事実、様々なクライアントや地域の方々に、口が酸っぱくなるほど広報の大切さを繰り返す。ところが、都会の大きな企業でも、地方の個人商店でも ...

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