2014年12月、ぺヤング焼きそばへの虫混入発覚を皮切りにメディアを賑わせた異物混入問題。ソーシャルメディアを通じた「ネット告発」という、新たな問題提起のあり方が話題となった。企業の広報対応を決定づける6つの視点から、専門家とともに検証してみよう。
1月7日、東京都内のホテルで行われた記者会見。出席したのは、日本マクドナルドと日本マクドナルドホールディングスの取締役。サラ・カサノバ社長の登場を期待していたメディアにとっては、肩透かしとなった。
「社長不在会見」が波紋を呼んだマクドナルド | |
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2015年 1月 3日 |
マクドナルド三沢店でビニール片が混入したチキンマックナゲットが報告される |
5日 | ◆東奥日報が「ナゲットに異物混入か」とこの問題を報じる |
7日 | 事件後、初の記者会見にて、各メディアで先行して報道された4件の異物混入について説明し、謝罪 マクドナルドが発表した4件の異物混入事例2015年 1月3日 2014年 12月31日 2014年 12月19日 2014年 8月26日 |
8日~13日 | 各メディアの取材で鹿児島県、埼玉県、栃木県、沖縄県、福島県など各店舗、各県保健所からも異物混入の報告があったことが発覚 |
15日 | 日本マクドナルド、苦情対応の向上を目指す組織設置を発表 |
28日 | 米マクドナルドCEO、業績不振で退任。中国、アジア圏の期限切れ鶏肉が原因 |
2月 4日 | 日本マクドナルド、異物混入について再発防止策を発表 |
5日 | ◆決算発表会見にてカサノバ社長が登場し、初めて公の場で謝罪。上場以来、初の赤字に転じたと発表 |
検証ポイント 3
マクドナルド会見は責任逃れ?それとも外食産業史に残る名対応?
一方、1月5日の発覚から2日後の7日に謝罪会見を開いたマクドナルド。この会見について、「外食産業史に残る、学びの多い会見だった」と評価するのは、外食日報の菅則勝編集長だ。
「企業が謝罪会見を開く目的は、『社のブランドを守る』こと。情報提供することで、自社の定めた線の内側にマスコミを踏み込ませないことがゴールです。通常、外食企業で同様の異物混入問題が起きた場合は …