2014年12月、ぺヤング焼きそばへの虫混入発覚を皮切りにメディアを賑わせた異物混入問題。ソーシャルメディアを通じた「ネット告発」という、新たな問題提起のあり方が話題となった。企業の広報対応を決定づける6つの視点から、専門家とともに検証してみよう。
一連の異物混入問題の経緯
ぺヤングの問題を皮切りに、次々と発覚した食品への異物混入。Twitterによる一般ユーザーの告発により、明らかになったものも多かった。
“ネットの空気”を読めなかったペヤング | |
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2014年 12月 2日 |
ユーザーがTwitterにて、ぺヤング焼きそばに、ゴキブリのようなものが混入しているとして写真を投稿 |
3日 | ◆写真投稿者、伊勢崎保健所とまるか食品に連絡 |
4日 | ◆まるか食品、「製造過程で混入した可能性は低い」としつつも、対象商品4万6000個の自主回収を発表 |
11日 | まるか食品、全工場の生産自粛・全商品の販売休止と自主回収を発表 |
広がる異物混入の告発 | |
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10日 | 日清食品冷凍が冷凍パスタ「スパ王」に虫の一部が混入していると発表。対象商品74万6000食の回収を発表 |
13日 | ◆Twitter上で女性が不二家のケーキにカビが生えているとして写真を投稿 |
15日 | ◆Twitter上で不二家の店員を自称するアカウントが「ねつ造ではないか」と示唆。以降、Twitter上で炎上。ウェブ上のまとめニュースなどで取り上げられる |
26日 | 不二家は茨城県古河市の店舗でケーキからカビが検出されたとホームページ上で発表 |
2014年12月から2015年初旬まで、ペヤングを製造するまるか食品、マクドナルド、不二家、日清食品冷凍などの問題で相次いで話題となった、食品への異物混入。異物混入は従来から頻発しているが、今回特徴的だったのはTwitterをはじめとしたSNSを通じて、一部の人のみに共有されていた企業のネガティブ情報が一気に拡散し、大きな企業イメージの低下を招いた点だ。
一連の事件から、企業広報は何を学ぶべきか。今回は、実際にマクドナルドの問題などを報じてきたメディアの編集長に取材。1月に連続シリーズでマクドナルドの謝罪・釈明会見に関する検証記事を掲載した『外食日報』の菅則勝編集長と、ぺヤングやマクドナルド製品への異物混入事件について、一般紙に先駆けていち早く報じ、各紙の報道をリードした「弁護士ドットコムニュース」亀松太郎編集長の解説のもと、紐解いていきたい。
検証ポイント 1
ネット告発までの経緯 試される広報の瞬発力
まず、一連の問題の経緯を簡単に振り返りたい。問題の発端となったのは ...