6社が一斉分析今年の「買い物」心理
今回の特集では、広告会社、マーケティングリサーチ会社の計6社が、2024年のショッパー、いわゆる売り場にいる買い物客のインサイトや行動を一斉に予測しています。
アフターコロナに、物価の上昇......。2023年は、消費者の買い物行動に影響を及ぼす出来事が絶えない1年になりました。では、今年のショッパーは売り場でどのような行動をとるのでしょうか。
各社の予測で目立ったのは、「節約疲れ」という言葉です。電通プロモーションプラスや、マクロミル、インテージなどが予測の中で言及していました。
物価の上昇は2024年も続くと言われ、節約志向や貯蓄への意識は今年も引き続き継続するという分析もありましたが、一方で「買い物をすることへの楽しさ」を感じる消費者も少しずつ復活していくとの予測も見られました。2024は、“お得”への意識は継続しつつも、リアル店舗に足を運んで買い物を楽しむショッパーも増えていくとも考えられそうです。
そのような「買い物」心理が見られると予測される中で、各社が対策として挙げたのが「非計画購買の誘発」や「つい欲しくなる売り場づくり」「セレンディピティーの創出」です。主に博報堂や大広、マクロミルが言及していた印象ですが、実店舗での「思いがけない出会い」や「買うつもりはなかったが、店頭で気になった」というような、購買意欲を刺激する売り場づくりが重要になるのではないかという分析も見られました。物価上昇によって節約志向が高まった結果、買い物への楽しさやリアル店舗の価値を認めなくなったというわけではないことは、メーカー、小売業ともに理解しておきたいところです。
店頭販促のデジタル化や、購買近接点をデータドリブンに把握するという意味ではリテールメディアの活用も注目領域です。ここまでも書いたように2024年のショッパーは引き続き“お得”への意識を持つと予測されています。そのことを考慮しても、“お得感”を演出できるデジタルクーポンの配信やキャンペーンは必須になってくると言えそうです。ここに言及したのは、やはりデジタルに強いサイバーエージェント。そして、博報堂も同じくリテールメディアの活用をヒントに挙げていました...