モノ雑誌における実売部数が12年連続でNo.1を誇る宝島社の『MonoMax』。その特徴は読者のニーズを捉え、物欲を刺激し続けていることだ。今回は読者のインサイトを掴むプロである編集者であり、モノ・トレンド情報のプロである『MonoMax』の、編集長 奥家慎二氏が、昨年のヒットを振り返りながら、2024年に流行するモノ・コトを予測する。
宝島社が発行する雑誌『MonoMax』。モノカテゴリーでの雑誌としては、実売部数が12年連続No.1という実績を誇る。
a編集長の奥家慎二氏は宝島社に入社して以来14年間、『MonoMax』編集部に所属。ファッション、時計、車など、多岐にわたる業界を担当してきた、モノ・トレンド情報のプロフェッショナルだ。「『MonoMax』で掲載しているのは基本的に、編集部が“価格以上の価値がある”と感じたモノです。価格帯問わず、あらゆる商品を掲載していますが、特に大事にしているのは、実際に使うことによって読者の皆さんの生活が豊かになるものを載せるということ。そういった商品を自信を持ってお届けするのが、『MonoMax』のテーマです」(奥家氏)。
2024年、流行のポイントはみんなで集まる「わいわい消費」
第三者の目線でモノやトレンドの情報を届けるためには、社会の風向きを捉えながら、読者が日々の生活の中で感じているインサイトを理解することが必要だ。それを雑誌制作の中で常に行う『MonoMax』編集部が予測する、2024年に流行するモノ・コトとは何なのか。
「2023年同様、イベントごとなど、世の流れに即したモノが今年もヒットするのではないかと考えています。
例えば、2024年の大きなイベントには、7月から開催されるパリ五輪があります。前回の東京五輪はコロナの影響がなければ、かなりの盛り上がりを見せたはずです。本来なら五輪という1つのものを応援するために、友人の家に集まったり、お店に集まったりすることによって生まれる消費もあったでしょう。
今回のパリ五輪は、コロナ禍のような“集まりづらい”雰囲気から解放され、どこかに集まって観戦や応援をする人が多くなるのではないでしょうか。そのような観点から、私が思う2024年流行のポイントは、『わいわい消費』。何か1つのものに対して、みんなで盛り上がることで生まれる消費に注目しています。
そう考えると、ジャンルを問わず、どこかに集まるときに持ち寄れるポータブルな商品や、食事をエンタメに昇華できる商品などが流行するかもしれません」(奥家氏)。
さらに奥家氏は、昨年に引き続き旅行もトレンドになると予測。しかし、旅行需要は2023年にすでに復活。旅用のカバンやグッズは昨年の段階で買い揃えている消費者も多いのではないかと続ける。
そのような状況の旅行カテゴリーの中でヒットを生み出すには、「機能性」や「アイデア」が...