大正製薬/AdryS(アドライズ)
この数年、新興企業によるD2Cブランドが、食品・アパレル・コスメなどジャンルを問わず市場に登場してきています。InstagramなどのSNSメディアを起点にして、フォロワーを伸ばしつつ、生活者の日常に入り込む形でメディアとコマースをリンクさせて、業績を伸ばしている事例などをよく耳にすると思いますが、大手企業では、どうでしょうか?
大手が手掛けるD2Cの強み
今回ピックアップするのは、大正製薬の手掛ける化粧品「AdryS(アドライズ)」です。「製薬」と社名にある通り、製薬事業が中心だった中、かつて行っていた「化粧品事業」を2019年に社内の声をきっかけに再開しました。その手法が「D2C」でした。卸や小売業を経由せず、ネットを中心チャネルとして販売を行っています。
手法としての「D2C」は一緒でも、「組み立て方」が異なります。それは大手には、既存ビジネススキーム、サプライチェーン・バリューチェーンがあるが故に、ゼロイチでのトライではなく、スタッフの豊富な過去の実績や人脈ネットワークから、最短ルートを選定できると思っています。
一方、D2Cの貴重な顧客接点チャネルであるSNSにフォーカスすると、(これは同社に限った話ではなく)大手企業のSNS運用面では、新興ベンチャーの方が、生活者にフィットしたコンテンツを日々...
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