コロナ禍でリアル店舗での商品体験の場は変化した。その中で最も影響を受けている施策のひとつが店頭ツールの化粧品のテスターである。百貨店ではテスターの上へビニールが被せられ来店客は自由に触れられず、ドラッグストアなどではテスターがすべて外された。また店舗によってはテスターの上へ商品イメージが印刷された蓋をかぶせるなどし、本来、商品体験の場であったリアル店舗の魅力が半減してしまった。
しかし、こうした逆境が店頭ツールを進化させる。商品に直接触れられない状況の中で、どうしたら商品体験をしてもらえるか、様々な試みが登場していた。消毒液を近くに置き、商品に触れるたびに手を消毒するという手法もそのひとつだったろう。また、皮膚に直接触れさせるのではなく、テスターを試すための紙などを置くという運用もあった。その中で、最も期待された商品体験の代替手法は、デジタルデバイスを使用した施策だったのではないかと思う。
デジタル化によるメリット
今回紹介するメイベリンのアイブロウ什器では、来店客のスマートフォンで商品体験を行えるようなウェブサイトを用意していた。商品に興味のある客は、什器のQRコードから商品体験のできるウェブサイトへアクセスし、そこで自分の顔をカメラに映し...