販売促進の専門メディア

           

2020年以降の実店舗の新常識

データで見る〈ライフスタイル多様化〉の虚実

堀好伸氏(クロス・マーケティンググループ)

「〈ライフスタイルの多様化〉によって消費者ニーズを把握しづらくなった」という声は小売企業に限らず、しばしば聞かれる嘆きだ。本当に、消費者のライフスタイルは多様化しているのか。データを基に、クロス・マーケティンググループの堀好伸氏が解説する。

ライフスタイルは多様化したのか

「ライフスタイルは多様化した」という言葉をよく耳にする。

リサーチ・アンド・ディベロプメント(東京・新宿)の生活価値観定点調査では、「世の中の常識」に関する項目【図1】で、世の中の常識・節度が失われていることを憂う人が多数派ではあるものの、2008年以降は「常識にとらわれず、さまざまな生き方が認められるべき」という考え方が上昇し4割に迫っている。この点からすれば、価値観の多様化は進んでいるのかもしれない。ライフスタイルの多様化というのは、このような価値観の多様化から発しているのではないだろうか。

図1 生活価値観の推移(「世の中の常識」について)

出典:リサーチ・アンド・ディベロプメントの調査データより

こうした背景には、社会環境の変化も大きく影響していると思われる。グローバル化やテクノロジーの急速な進化によって、新しい消費の仕組みやサービスが生まれ、社会のあり方が激しく変動している。その中でもスマートフォンの影響は計り知れないのではないだろうか。

スマートフォンによって消費者の消費行動は大きく変わってきた。いまは24時間、買い物のタイミングがあり、ソーシャルメディアを通じて、ほかの消費者が発信する商品の活用情報も手に入る …

あと69%

この記事は有料会員限定です。購読お申込みで続きをお読みいただけます。

お得なセットプランへの申込みはこちら

2020年以降の実店舗の新常識 の記事一覧

データで見る〈ライフスタイル多様化〉の虚実(この記事です)
より慎重になる消費者 知覚リスク低減行動を踏まえた戦略を
これからのスーパーは一目瞭然の個性が不可欠
ライブの待ち時間をエンタメに 1万人が参加した街めぐりイベント
「高輪ゲートウェイ駅」構内にウォークスルーの次世代型店舗
講談社が仕掛ける 新しいエンタメ施設
コーセー、ブランド横断で提案する 体験型店舗をオープン
年間200万回再生 YouTubeを有効活用する「弁当屋」
体験を重視した店舗づくりで来店客数・売り上げともにアップ
研究開発店で得たノウハウ拡大を目指す次世代型の飲食店
ライフスタイルに合わせた新業態でゲオの利用客層を拡大
小売業における実店舗の課題と将来へ向けた解決策
関係人口創出シナリオを核に据えた新しい地域ショップ戦略
825万人の買い物支援を目指す「移動スーパー」
販促会議Topへ戻る

無料で読める「本日の記事」を
メールでお届けします。

メールマガジンに登録する