825万人の買い物支援を目指す「移動スーパー」
日常的な買い物が困難と言われる「買い物難民」問題は、人口減少社会において、より深刻な問題となっている。その問題に対して、いままでにない形の移動スーパー事業で解決を目指すのが「とくし丸」だ。
情報探索手段や購買チャネルが多様化したいま、リアル店舗(実店舗)だけで、来店促進・販売戦略を考えても効果は得られない。ここでは、小売業が把握すべき消費者行動について大妻女子大学 家政学部 准教授 吉井健氏が解説する。
●ショールーミング
リアル店舗をショールーム代わりにして商品と価格を確認した上で、ネット店舗で購買する行動
●リバース・ショールーミング
来店前、店内において外部Webサイトでの情報探索を行うものの、ネット店舗での購買を行わずに、リアル店舗で購買する行動
●知覚リスク
消費者が購買に際して認識する不安、疑問やマイナスに感じるような主観的に知覚するリスク
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今日の消費者においては、リアル店舗(実店舗)とネット店舗(Eコマースなど)を往来し、能動的に情報探索を行ってから購買を行うことが多くなってきた。このような消費者行動を背景とし、小売事業者においては、オムニチャネル戦略にて、いかにリアル店舗とネット店舗の融合を図るかが、課題として指摘されている。
リアル店舗とネット店舗をめぐる、多様化した消費者行動の代表格としては、ショールーミングやリバース・ショールーミングが挙げられる。
ショールーミングとは、消費者がリアル店舗をショールーム代わりにして商品と価格を確認した上で、ネット店舗で購買する行動であり、この行動をする消費者は、ショールーマーと言われている。このショールーマーの中には、もとからネット店舗での購買を計画し、予定通りショールーミング行動をしてネット店舗で購買するショールーマーもいれば、もとからリアル店舗で購買する予定であったものの、チャネルスイッチしてネット店舗で購買するショールーマーもいる。
一方、リバース・ショールーミングとは、消費者がリアル店舗への訪問前ならびに店舗内においても外部Webサイトでの情報探索を行うものの、ショールームとみなしたネット店舗での購買を行わずに、リアル店舗で購買する行動である。このリバース・ショールーミングをする消費者はリバース・ショールーマーと言われ、その中でも、もとからリアル店舗で購買することを目的としてインターネットで情報探索をしながらも、予定通りリアル店舗で購買をする消費者はウェブルーマーと言われている。
なお、このリバース・ショールーマーの中には...