
レコメンドは一本道ではない。購入者の嗜好がわかるということは「ふだん買わないタイプ」の商品もわかるということだ。あえてそういった商品を勧めると、人から勧められるのと近い感覚が得られる(写真=123RF)
前回、「クリエイティビティ」はAIが苦手とする領域の一つだと述べた。今回は、AIのクリエイティビティの限界を人間が補完して、人間とAIがうまくコラボレーションした、ライトオン社のAI活用事例をご紹介したい。
ライトオン社は、ジーンズを柱としたカジュアルウエア専門店を約500店舗(2018年8月20日時点)展開する大手アパレル企業である。私の経営するSENSY社とライトオン社は、2018年から共同でAIを活用した新しいレコメンド機能「ONIAI(おにあい)」の開発に取り組んでいる。
通常、レコメンド機能にAIを取り入れる場合、CVR(コンバージョンレート)やCTR(クリックスルーレート)などを指標として、より多くの人が買う商品をレコメンドするのが一般的だ。しかし、ライトオン社で開発しているレコメンド機能は、AIを活用して「新しい顧客体験のデザイン」を目指している点に独自性がある …
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