マーケティングの格言に「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく"穴"である」というものがある。買い物客はドリルという物ではなく、穴を空ける解決策を欲しているという例えであるが、普段の売り場でも商品訴求に活用されている考え方であると思う。例えば、ロボット掃除機や近年売り場が拡大しているメニュー専用調味料などは、可処分時間を増やすために「家事の時短」を解決策として示し、ヒット商品になっていると言える。
こうした売り場では商品知識が乏しくても商品選びに悩むことが少なくなる。商品の機能やスペックへの理解が不足していても、得たい効果などが明確であるからだ。このような訴求のためには、日ごろから商品研究や買い物客の観察などを積み重ねなくては、なかなか買い物客の求める解決策に至らないのではないかと思う。今回紹介する双眼鏡売り場の事例は、まさに買い物客の欲する解決策を形にした訴求方法の好例である …
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