
理工学部出身で昔からものづくりが好きだった私が、OOHに携わることになったのは、かかわった仕事が形になって、多くの人の目に触れることに、やりがいを感じられそうだと考えたからだ。さらに公共空間での広告であるOOHなら、自分たちの考えたものに対してダイレクトな反応を得られる。
入社した広告代理店では、映画告知で駅のパウダールームの鏡をメディアに変えたり、新発売の家電告知で駅のベンチに実物の商品を展示したりといったことにかかわってきた。
現在は、芸術文化を推進する公益財団法人へ異動し、駅や空港などの公共空間に設置されるパブリックアートの普及と振興に携わっている。社会人になってから一貫して「公共空間のものづくりにかかわりたい」という思いは変わっていない。
さて、OOHは不特定多数の人々からダイレクトに反応を得られる。それをひるがえすと、OOHは「広告を見ている人」を見られるメディアだということになる。
テレビや新聞などのマスメディアは、一般的に家庭内など、プライベートなシチュエーションで接触し、(家族などの同居人を除けば)広告を見た第三者の反応がわかりづらい。インターネットメディアは個々人に最適化された内容となり、クリックや視聴時間などで数値化できても、広告に接触した本人に出会うことは難しい …
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