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企画書大公開

書類がひとり歩きしても納得してもらう「企画書」の極意

石田章洋

放送作家 石田章洋 氏(いしだ・あきひろ)
1963年生まれ。日本大学在学中に三遊亭円楽(当時は楽太郎)に弟子入り。落語家になるも数年後、放送作家に転身。以来、テレビ番組で企画・構成を担当。主な担当番組に『世界ふしぎ発見! 』(TBS)『TVチャンピオン』(テレビ東京)『情報プレゼンターとくダネ! 』(フジテレビ)などがある。著書に『企画は、ひと言。』(日本能率協会マネジメントセンター刊)など。

─『世界ふしぎ発見!』をはじめ、25年以上テレビ番組を企画されていますが、企画を通すコツは?

「ひと言」で言える企画をつくることです。優れたアイデアは必ずひと言で言い表せます。例えばトヨタのプリウスは、「地球にやさしいエコカー」、AKB48は「会いに行けるアイドル」というように。では、なぜ「ひと言」がいいのか。それは、採用する側が、企画を実現した時のイメージを描きやすいからです。複雑な企画だと、結局何が言いたいのか分からず、企画を採用して責任を負う決定権者はGOサインを出しにくい。商品や販促の企画なら「売れそう」という勝算が見えないものにGOサインは出せません。企画を通すには「この企画ならやってみたい」と相手を駆りたて、動かす必要があります。だからこそ、この企画の売りはコレだと言い切れる=イメージできる、画が見える企画が強いのです。ひと言がつくれない企画は、アイデアが煮詰まっていないのです。

ひと言がつくれると、企画書がひとり歩きしたときも役立ちます。見事なプレゼンで担当者に提案しても、次に担当者が上層部に判断を仰がなければ企画が通らない場合もあるでしょう。決定権を持つ上層部に「結局、どんな企画?」と聞かれ、担当者がひと言で答えられなければ実現しない可能性は高い。企画書には直接プレゼンしなくても伝わる、シンプルなひと言が必要なのです。企画書の体裁に凝るよりも、ひと言を磨くことに時間を充てたほうが賢明です。

─「ひと言」をつくるのには言葉のセンスが必要では?

センスは不要です。企画を通すひと言は、素敵な言葉より、どんな企画かピンとくるほうがいい。私がかかわった企画で言えば ...

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