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企画書大公開

悩みを相談、質問をぶつけ合う――ブレスト型オリエンという手法

髙木文隆(ソニー銀行)、加我俊介(電通)

ソニー銀行のキャンペーン「ソニー銀行はATM¥0」(左)と、「500円からの外貨積み立て」(右)。銀行の広告で特徴的な「ディスクレーマー(免責事項)」を極力排除し、分かりやすさを高めた。

「ソニー銀行はATM¥0」─シンプルなメッセージを表現した、従来の“銀行らしい広告”のイメージを覆すクリエイティブ表現。昨年12月からスタートし、この8月には第三弾を展開した同キャンペーンは、2014年1月の口座開設数が前月比2.1倍、ソーシャルメディア上でのソニー銀行の関連投稿数が同2.4倍という成果を上げ、「交通広告グランプリ2014」で、デジタルメディア部門最優秀部門賞に輝いている。そして、少し変わった「オリエンテーション」から生まれた企画だった。

「こんなこと言ったら…」
不安を乗り越えた先の光明

「広告したいもの」をどうコミュニケーションするか、クライアントの考えや要望を伝える場、オリエンテーション。自発的にプレゼンテーションを行う「自主プレ」のような特別な場合を除き、一般的にはオリエンとプレゼンは1セットだ。

オリエン、プレゼンの現場には、さまざまな箴言(しんげん)がある。「プレゼンの質はオリエンが決める」「オリエンを信じてはいけない、オリエンは超えるものだ」…云々。ソニー銀行営業統括部長の髙木文隆氏は「我々も不安でなりません。きちんと伝わったのだろうか、もっとちゃんとしたオリエンをしてほしかったのではないだろうか…。課題を共有して立ち向かっていくため、『伝える力は私たちこそ磨くべきではないか』とすら思うのです」と心情を明かす。「ソニー銀行はATM¥0」のキャンペーンの発端は2013年の夏ごろ。電通のコミュニケーションプランナー加我俊介氏らチームとの初顔合わせの場で、髙木氏の口をついたのは、こんな言葉だった。「悩みを、相談させてください」─。

「当時は、広告の前に、ソニー銀行のコーポレートブランドを今後どう伝えるべきか、そもそもソニー銀行らしさとは何か、社内でも整理をつけている最中でした。そのような中での初顔合わせで、我々も“丸腰”だったんですが、カッコつけてもしかたがありません。率直にお伝えしたんです」(髙木氏)。

一方、加我氏のチームにとっても金融機関の広告は初の案件だった。ただ…

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