いま、各企業が積極的に体験の場を設けている。従来のサンプリングやタッチ&トライにとどまらず、参加者を巻き込むイベントや自社製品のポップアップストア、テクノロジーを体験できるスペース、ブランドの世界を感じさせる期間限定カフェやバーなどが次々と街に登場している。その商品ならではの使用体験によって愛着を抱いてもらい、競合他社との差異化を図る。また、五感を通じ、イメージだけでは補いきれないリアルな実感を与える。こうした「体験型プロモーション」に注目が集まる今、「参加したくなる」「人に体験を伝えたくなる」イベント企画を立てるにはどうすればよいだろうか。メーカーや飲食店、商業施設の事例を通じて探る。
カゴメが「野菜生活100」の新しい利用法浸透のため開いた体験イベント。5万7000人が参加した。
カゴメ 野菜生活100 「My野菜生活 Healthy & Beauty Fair」
自社商品のとらえ方を変えるには、実体験が有効だ。カゴメは4月、主力の野菜飲料ブランド「野菜生活100」の新たな利用シーンを打ち出し、体感を軸にしたプロモーションを展開した。
新しく提案するのは、「野菜生活100」に野菜や果物を加えてミキサーにかけ、自分好みのスムージーを作る「My野菜生活」。これを実際に飲める場として、4月19日から27日、「アーバンドックららぽーと豊洲」で「Healthy & Beauty Fair」を開催。9日間で約5万7000人が参加した。
プロモーションの起点は、「野菜生活100」のリニューアル。4月1日、容量を900ミリリットルから720ミリリットルに刷新した。従来品の発売当時から平均世帯人数が0.5人減り、飲み切りにくくなっていた背景があった。売り上げが前年割れしていたこともあり、新規ユーザー獲得が至上命題だった。
そこで着目したのが、女性著名人などの ...