ぺんてるが縮小傾向の文具市場で、見出した活路、それが「表現具」へのポジションチェンジだ。しかし、「表現具」って?言葉を尽くすより体験してもらうほうが早い! とオープンしたのが、東京・銀座に店内すべてラクガキOKのカフェ&バーだ。
ヒントは「カラオケ」
思うままペンを走らせてイメージに形を持たせるのは楽しいものだ。ぺんてるが6月、東京・銀座に期間限定でオープンした「GINZA RAKUGAKI Café & Bar」では、子どもだけでなく大人も、色とりどりのペンを持ち、自由にラクガキを楽しんでいる。店内すべてがラクガキOKという珍しさも手伝って、連日予約も含めて盛況だ。
ぺんてるはなぜ、こうしたスペースを立ち上げたのか。その背景には、自社、そして商品に対する既存のイメージを大きく変える狙いがある。同社は、消費者の筆記具に対するとらえ方を、記録・記憶の道具から発想・表現を楽しむツールへシフトさせようとしているのだ。
文具市場は縮小トレンドで、メモはペンからスマートフォンへ、打ち合わせの記録を取るのも手書きからノートパソコンが主流となった。ぺんてるは文具メーカーとして新たな販売拡大の糸口を探らねばならない。
同社 マーケティング推進部長の耒谷元氏はさらに、「消費者の声を聞いても、クレヨンなどをはじめとした筆記用具は“懐かしいもの”となっています。今の自分に寄り添う商品、企業だと思われなければ、どんどんユーザーが離れてしまうという危機感がありました」と明かす。
さかのぼること2012年末 ...