2013年12月にオープンした「イオンモール幕張新都心」は、約19万2000㎡の敷地面積を誇るイオンモール初の旗艦店。"体験"というモールのコンセプトは、GMSのイオンをはじめとするテナント各店にも共通している。
イオン幕張新都心店 最新O2Oサービス体験ツアー
現在イオンはICT*を駆使し、実店舗とインターネットを連携させた新しい買い物スタイルの提供に取り組んでいる。その実験店舗が、2013年12月にオープンした「イオン幕張新都心店」だ。"モノ・コト・ネットの融合"を掲げる同店では、イオン初となる各種デジタルサービスを売り場に導入。そのための独自アプリもリリースした。イオンリテールの森永和也氏は、「14年度は実験の年。顧客の反応を見ながら、本当に求められるオムニチャネルの在り方を探りたい」と話す。
*「Information and Communication Technology」の略語。情報通信技術。
オープンから約2カ月が経ち、こうしたサービスはどのように活用されているのか。ITアナリストの松浦由美子氏が、実際に体験した。
1.撮って!インフォ (1F 果物売り場)
「撮って!インフォ」は、イオン幕張新都心店のオープンに伴いリリースされたアプリ。売り場の専用POPにカメラをかざすと、その商品を使ったレシピが表示される。現時点で利用できるのはレシピ情報だけだが、画像認識機能の応用で、今後はさまざまな販促活用が期待できる。
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専用POPを発見
特売のりんご売り場で「撮って!インフォ」対応のPOPを発見。対象商品も設置場所も毎週変わるため、売り場でPOPを探す楽しみもある。
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数秒でPOPを認識
アプリのカメラをPOPにかざすと、数秒で「アップルケーキ」のレシピが表示された。材料も細かく記載されているので、その場で買いそろえられる。
イオンリテールの森永和也氏によると、同サービスを導入した主な目的は「買い物の楽しさ・便利さ」の提供だ。店頭の商品を使ったレシピがスマホで手軽に取得でき、アプリ上に蓄積されていつでも見返すことができる。
対象商品は、イオンリテール発行の週刊レシピ集に掲載したレシピの食材から選び、毎週更新している。「今後、画像認識の技術がさらに進化し、商品パッケージやバーコードでも認識できるようになれば、メーカーとのタイアップキャンペーンなどでも活用できるかもしれません。商品にアプリをかざすだけで応募が完了するような仕組みができれば、応募も活性化しそうです」(松浦氏)。
また、店内の専用自動販売機では、ドリンク購入後に表示される画面に「撮って!インフォ」をかざすとクーポンが取得できる仕掛けも用意。商品POP以外の認識も進みつつある。