ハインツ日本は、2013年の12月に同社「デミグラスソース」「ホワイトソース」において、レシピサイト「クックパッド」を活用したプロモーションを実施。サイト利用者を店頭に誘引する施策によって、最需要期に大きく売り上げを伸ばした。メーカーによるO2Oの取り組みについて取材した。
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■クックパッドのタイアップページ
クリスマスシーズンに合わせて11月18日から6週間掲出。デミグラスソース、ホワイトソースによるシチューのレシピを掲載。期間中の「ビーフシチュー」の検索回数は昨年比2倍となった。
ブランドファンの若年化を図りクックパッドとタイアップ
ハインツのデミグラスソースとホワイトソースは発売40周年を迎えたロングセラー商品。発売当初はテレビCMを大量投下するなどして、当時のヤングミセス層のファンを増やした。しかしながらその後はマス広告の展開を休止していたため、カテゴリーシェアNo.1ではあるものの、ロイヤルユーザーが50~60代と高年齢化。同時に市場そのものが縮小していることが課題となっていた。
そこで、市場再活性化およびブランドエントリー層の若返りを目的に、レシピサイト「クックパッド」とタイアップ。商品の最需要期である12月に、20~40代の主婦層を対象としたネットと店頭を連動させるプロモーションを行った。
クックパッドにおいて実施したのは、サイト内でのバナー広告掲出とデミグラスソース、ホワイトソースを使ったシチューレシピを紹介するタイアップ広告。そして、サイトを見て店頭に足を運んだ人に商品を手に取ってもらう施策として、プロモーション期間中、店頭にはクックパッドのロゴに「レシピ掲載中」と印刷された限定パッケージ缶が並ぶようにした。パッケージにプリントすれば、POPなどを設置することなく、確実にメッセージを届けられる反面、プロモーション時期に店頭に並ぶようにするには、さまざまな調整も必要となる。
そうした点について、ハインツ日本 マーケティング本部 家庭用ドライ商品 アシスタントプロダクトマネージャー 園田奈緒子氏は「実施にあたり、社内外のステークホルダーとの折衝もあったが、この施策が商品のトライアルとリピートの両方に効果が期待できたことや、近年このカテゴリー自体が話題性に乏しかったこともあり、限定デザイン缶は比較的好意的に受け入れられた」と話す。