これまで、オンラインから実店舗への誘導施策という色合いが比較的強かったO2Oを、メーカーはどう活用すればよいのだろうか。昨年LINE公式アカウントを取得し、ローソンとの全国初の「LINEコラボアカウント」を活用したキャンペーンを実施したサントリー食品インターナショナルに聞いた。
当初、オフラインはイベントの側面が強かった
サントリー食品インターナショナルのO2Oの取り組みについて、同社の各商品のネットメディアを活用した各種施策を行う、 サントリービジネスエキスパート 宣伝部の石川貴史氏は、「当社におけるO2O施策のオフライン部分は、店舗というよりもバーチャルだけで終わらせないための"顧客と直接触れ合えるイベント"と捉えていた」と話す。例えば、昨年6月から8月、同社は「オランジーナ擬人化プロジェクト」を実施。商品を擬人化するプロジェクトは2012年夏の「C.C.レモン」に続き2回目となる。まず、果汁炭酸飲料「オランジーナ」をイメージした美女キャラクターをオンライン上のイラスト投稿サイト「pixiv(ピクシブ)」で募集。約5000点もの応募作品の中から選出した200点のイラストと、プロが描いた3点のイラストをプリントした、203個のオランジーナ特製缶を作った。それを8月に東京ビッグサイトで開催された日本最大の同人誌即売会「コミックマーケット(コミケ)84」で展示。「ネット上に投稿したイラストがオフラインのイベントで商品パッケージというリアルな形になる施策。購買というより、顧客が集まるリアルな場を設けてコミュニケーションするイメージ」(石川氏)。
■オランジーナのビッグサイトでのブース風景
「オフライン」を顧客とのリアルに触れ合う場として活用した例。ネット上で募集したオランジーナ擬人化イラストの入選作などが描かれた203個の特製缶を「コミックマーケット(コミケ)84」で展示。多くの人が集まった。