戦後日本を代表する写真家の没後初回顧展
中平卓馬火―氾濫
森山大道や篠山紀信ら同時代の写真家を大いに刺激し、ホンマタカシら後続の世代にも多大な影響を与えてきた中平卓馬。
1960年代末に『PROVOKE』誌などに発表した「アレ・ブレ・ボケ」の強烈なイメージ、1973年の評論集における自己批判と方向転換の宣言、そして1977年の昏倒・記憶喪失とそこからの再起など、中平の劇的なエピソードは彼の存在感を際立たせる一方で中平像を固定し、その仕事の詳細を見えにくくするものでもあった。
本展は、初期から晩年に至る中平卓馬の仕事を、「来たるべき言葉のために」から「写真原点」までの5つの章立てで丁寧に追いながら、その展開を再検証する試み。特に、1975年頃から試み、1977年に不慮の昏倒と記憶喪失によって中断を余儀なくされた模索の時期の仕事に焦点を当て、再起後の仕事の位置付けについてもあらためて検討していく。
1976年にマルセイユで発表されて以来、展示されることのなかった《デカラージュ》や未公開作品を含む約400点の作品や資料を通じて、思考と実践の軌跡をたどる。
中平卓馬 火―氾濫 | |
---|---|
期間 | 2月6日~4月7日 東京国立近代美術館[東京・千代田区] |
時間 | 10時~17時(金曜・土曜は20時まで、入場は閉館時間の30分前まで) |
休館日 | 月曜(2月12日、3月25日は開館)、2月13日 |
観覧料 | 一般1500円、大学生1000円、高校生以下無料 |
お問い合わせ | ハローダイヤル 050-5541-8600 |