
施設外観。中庭にある温泉噴気口を中心に2階建ての建物が円形に配され、カフェも併設する。

施設内観。温泉ができるまでの50年間と地獄温泉の歴史を館内を巡って体験。

順路の冒頭には床面に、終盤には壁面に映像コンテンツが用意されている。
撮影:針金洋介
“日本一のおんせん県”として知られる大分県。別府市では、多様な泉色の温泉噴出口を鑑賞する観光「地獄めぐり」が行われている。その拠点として、雨水が温泉になるまでを体感できる「別府鉄輪 地獄温泉ミュージアム」が12月1日に開館した。
主導したのは、同地で観光施設「海地獄」を運営する千壽智明さんだ。Uターンして跡を継いだのち、地獄温泉文化を真摯に伝える場をという思いが募り、2019年に丹青社に依頼。「どうすれば温泉を大切に感じてもらえるのか?」と議論を重ね、“来館者自身が温泉になる”体験型ミュージアムという構想がまとまった。
掲げたゴールのため、求められたのはアカデミック性とエンターテインメント性の絶妙なバランス。丹青社のデザイナー、那須野純一さんと...