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クリエイティブは「顧客と共に完成させる」――LUSHの社会派PR

LUSH「We Believe in Love」

「化粧品のための動物実験の禁止」「ロシアの反同性愛法への反対」――創業以来、こうした社会課題に深く切り込んだ活動をグローバルで展開してきたLUSH。伝え方によっては誤解が生じかねないデリケートなテーマに取り組むのはなぜか。

01 LUSH新宿駅前店の店頭で実施したフラッシュモブのひとコマ。

世界の課題は、ビジネスの課題

1994年に英国で創業し、現在は世界50カ国で展開しているコスメブランドのLUSH。日本国内では、全国に155の店舗(14年2月現在)を持つ。同社の主なキャンペーンは、その多くがグローバル共通で展開されており、国内外で人々が関心を寄せる社会課題をテーマとするものが多い。取り上げるテーマは、「化粧品の開発・製造過程における動物実験の廃止」という同社ビジネスと関係の深い領域のものもあれば、「ロシア反同性愛法への反対」といったビジネスに直結しないものまで幅広い。こうしたテーマに取り組む理由を尋ねると、返ってきた答えは「そこに課題があるから」というシンプルなものだった。「例えば、もし自分に子どもがいたら、なるべく無農薬・無添加のものを食べさせたいし、より肌に優しい天然素材の服を着せたいと思うはず。それならば、企業もその価値観をビジネスに反映すべき。目の前に何らかの課題があって、『それはおかしい』と感じたら、メッセージを発信したり、行動を起こす。LUSHには、それをごく自然なこととらえるカルチャーがあります。キャンペーンは、LUSHのさまざまな側面、パーソナリティを知っていただくための取り組みの一部であり、マーケティング活動とは全く別のものと位置づけています」とブランドマーケティングチームの小林香代子さんは話す。

なかでも、化粧品のための動物実験に反対する姿勢は創業時から一貫しており、英国では当初からキャンペーンを展開してきた。日本でも事業を開始した98年当時から同じ信念を掲げているが、キャンペーンという形を取り始めたのは08年頃から。「基本的には、グローバル共通の戦略とアートワークに沿って展開しますが、日本においてこうしたメッセージを受け入れる土壌がどれくらい育っているかを見ながら、過去5年間、少しずつ打ち出し方を変えてきました。最近では13年3月にEUで動物実験を行って開発された化粧品の販売が全面禁止になったことを受け、『動物実験はいらない』と、より明確に表明するようになりました」。13年6月に行ったキャンペーン「Fighting Animal Testing」では、LUSH新宿駅前店と神戸三宮センター街店の店頭で、フラッシュモブを実施。檻の中に閉じ込められたウサギ(の着ぐるみを着た人間)を助けるため、人ごみに紛れたダンサーや店舗スタッフが、踊りながら署名を集めるというものだった。店頭は、写真や動画を撮影する人であふれ、集まった署名は国内全店舗で1万1626筆にのぼった。

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