広告会社を通さず300社の企業と直取引を行う日本ビジネスアート。ここで目指すキャリアは、自分の名前に対して仕事がくることと、年収1000万の突破だ。日本有数企業のブランディングに200社以上関わり、海外視察へも同行するなど、その関係は深い。147名の独立系、急成長企業だ。
01 左から杉浦嘉彦さん(チーフディレクター)、上野亜希子さん(統括アートディレクター)、小関真裕美さん(統括アートディレクター)、中道健一さん(アートディレクター)、石川雄太さん(クリエイティブ戦略研究所所長)、石山宏さん(アートディレクター)。
仕事も、仲間も、年収も、クリエイターはもっとわがままでいい
「広告業界はいま、予算の削減が加速しています。クライアントから成果を求められる一方、クリエイターは目の前の細かな案件を矢継ぎ早にこなす毎日が続いていました。その日々の中で、クリエイティブの品質を追求する機会を失っていいのか、という自問がありました」と日本ビジネスアート チーフディレクターの杉浦嘉彦さんは語る。
そこで日本ビジネスアートは2007年、大きく事業展開をシフト。単発コンペに参加して仕事を請け負うような仕事をやめ、クライアントのトップやブランドマネージャーたちと直接対話して進めるプロジェクトにクリエイターの力を集中させたのだ。
「クリエイターたちの欲求を実現しようと思った結果です。クライアントの顔が見えること、プロジェクト全体を把握して動かせること。ときには赤字覚悟でも、徹底的にクライアントとディスカッションします。利益は後からでいい。まずは、『あなたに仕事をお願いしたい』と言われるポジションを勝ち取ることです」と杉浦さん。
1日の業務時間のうち3割は自分の決めた自由なクリエイティブテーマで情報に触れる時間にしてよいなど、最先端であり続ける工夫を日常に取り入れている。事業展開をシフトしてから現在まで、6年の間に上場企業との取引は200社以上増加した。