ユニクロのインハウスデザインチームとして2008年発足した「クリエイティブチーム」が、チームの成長に伴いその役割を拡大している。「社内のデザインチーム」を超えて、「経営に参加するデザインチーム」へ。佐藤可士和さんとチームリーダーの梶友宏さんに、チームの設立時から、今後目指す姿までを語ってもらった。
01 ユニクロのクリエイティブディレクターを務めるサムライの佐藤可士和さん(左)と、ユニクロ グローバルマーケティング部 クリエイティブチーム アートディレクター/リーダー 梶友宏さん(右)。梶さんは、現在クリエイティブチームとマーケティングチームを兼務している。
ユニクロの中にデザインを蓄積していく
ユニクロのクリエイティブチームが生まれたきっかけは、同社のクリエイティブディレクションを手がける佐藤可士和さんの「デザイナーを採用した方がいい」という一言だった。「ユニクロ社内にはそれまでグラフィックデザイナーがいなかったんです。いくら外部の優れたクリエイターと組んで仕事をしても、デザインがユニクロの資産になっていかないのはもったいない。そこで、デザイン専門のチームを作ってWebや空間、将来的にはテキスタイルまで手がけていくように育ててはどうですか、と柳井(正)さんに提案したんです」と佐藤さんは当時を振り返る。
こうして、ユニクロのグラフィックデザイナー第一号として2008年に入社したのが、現在チームリーダーを務める梶友宏さんだ。入社後まず梶さんがしたことは、サムライでの研修だった。「サムライのデザイナーたちと机を並べて、佐藤さんに直接仕事を見てもらいながら、ユニクロらしいデザインとは何かを学びました。それは、デザインの考え方です。見た目のデザインの前に、作るべきものの情報をきちんと整理するということです。そして、ユニクロらしい美意識を持って、ディテールまで作りこみクオリティを上げていくこと。そうすることでユニクロ“らしい”デザインが生まれます」。