メディアへのアプローチ策として一般的なプレスリリースだが、情報流通の構造が変わる中、有効な情報の届け方も変わってきている。デジタル時代の記者への接触やブロガーの捉え方など、ビーコミ 加藤恭子氏が解説する。
- 情報をパッケージ化し、記者の労力を最小限に
- SNS経由でコンタクトを取るのも当たり前に
- 配信リストを常にアップデート
フリージャーナリストやブロガーにも注目
記者に届くリリース配信のポイント
ネット経由で話題が広がる
メディアでの露出を目指す広報活動は、ここ数年で大きく変化しています。そのひとつとして挙げられるのが、4大マスメディア(テレビ、新聞、雑誌、ラジオ)をメインターゲットとして直接アプローチするのではなく、様々なインターネットメディアや著名な個人(インフルエンサー)へ情報発信し、そこからの波及効果を狙う流れです。
インフルエンサーに着目された内容は、著名な商用オンラインメディア、ブログポータル、著名な個人のブログやまとめサイト、FacebookやTwitterといったソーシャルメディアで拡散し、それを受けてさらにはSmartNewsやGunosy(グノシー)といったキュレーションメディア(ネットで注目のニュースをスマートフォンアプリで紹介するサービス)でさらに大きく拡散するようになりました。その中で、どのような情報の届け方が有効なのか?
本稿では、事例を交えて解説したいと思います。
メディアの情報接触の変化
「リリースは要りません。ネタは別の方法で探すので」。あるいは、「リリースは毎回送ってください。後で検索して使うので」など、記者によって大きく扱いの異なるプレスリリース。今も昔も企業にとって重要な情報発信の方法ですが、以前のようにメディアがそれをニュースのネタとしてそのまま扱うケースは減少している印象を受けます。
例えば、日本経済新聞社が運営する「日経プレスリリース」では、企業のプレスリリースの一部が公開されています。でも、この中で記事になるのはごく一部です。メディアへの情報発信をプレスリリースのみに頼っていては、よほどのネタでない限り紙面への掲載は厳しいでしょう。
有識者から最新の情報を収集し、取材するメディアも多くあります。その場合、業界を代表するコンサルタントやフリーランスのジャーナリストに、自社の情報を届けておく必要が出てきます。雑誌などでも、誌面に掲載する内容の選定は、そのページを任されているフリーランスのジャーナリストや業界有識者に任される傾向があります。
こんなところで機会損失!
まずは、一般的なリリース配信を見直してみます。意外と、機会損失が多いものです。例えば、プレスリリースをメールで送り、安心してすぐに退社してしまった広報担当者。問い合わせ先に電話しても、メールをしても返事がなかったら、記者がせっかく興味を持ってもタイムリーな記事になりません。
ウェブメディアの場合 ...