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デジタル広報再入門 実践編

嶋浩一郎さんと考えよう「スマホ時代のネットニュースの全体像」とは?

嶋浩一郎(博報堂ケトル代表/編集者・クリエイティブティレクター)

「ヤフートップを狙おう!」と思ったところで、ネットニュースの構造は複雑だ。その仕組みを理解し、Yahoo! ニュース編集部の声を聞き、その攻略法があるものなのか、ネットニュースの構造に詳しい博報堂ケトルの嶋浩一郎氏と徹底検証する。

詳しい内容は、広報会議8月号の電子ブックで、ご確認いただけます。

「配信」と「リンク」の仕組みでネット世界の情報流通を捕捉せよ

PRパーソンはメディア同士の関係性を理解しなければいけない。例えば、スポーツ新聞に掲載された記事はネットニュースにもなるし、「新聞読み」と言われるコーナーを持つ情報番組でも紹介される可能性がある。

ネット世界はメディア同士の関係が複雑で理解するのが厄介だ。PRパーソンはデジタル領域で効果的な広報活動を展開するために、ネットニュース記事の流動性をしっかり捕捉する必要がある。ネットニュース同士、ネットニュースとSNS、ネットニュースとまとめサイト、ネットニュースとキュレーションメディアなど、複雑に入り交じった関係性を理解しなければいけない。図1は、企業が発信した情報が生活者に届くまでの情報の流れを図式化したものだ(広報会議2014年4月号より再掲)。特に重要なのは、図の中の「配信」「リンク」「ピックアップ」といった情報流通の種類だ。

双方向に「配信」されるネット記事

よく「Yahoo! ニュースに書いてもらいました」という人がいるが、そもそもヤフーはニュースを一本も書いていない。Yahoo! ニュース編集部の仕事は、ネットニュースサイトが「配信」する記事を編集し、「Yahoo! ニュース」というプラットフォームに掲載すること。ヤフーに配信するだけでなく、多くのネットニュースは記事を交換している。AOLの記事がアメーバやライブドアに載るのはそのためだ。

さらにスマホ時代になり、ネットニュースの配信は多様化した。LINEニュースやグノシーなどスマホのアプリでアクセスする人も多い。これらのキュレーションメディアにもニュースサイトは記事を提供している。

どのニュースサイトがどの媒体に記事を配信しているかは、それぞれの運営方針による。毎日新聞はヤフーに記事を提供しているが、日経新聞はヤフーに記事を提供していない。アメーバやライブドアなどのポータルは、ポータル同士や出版社など多くのサイトを配信元にしているが、出版社のニュースサイトはライバル意識のためかどちらかといえば出版社同士での配信に積極的ではない。

またFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが記事を運搬する役目を果たしている。読者もタイムラインに流れる多くの記事を日々目撃しているはずだ。ソーシャルメディアの台頭で、ネット記事は「配信」に加え、さらなる拡散の手段を手に入れた。記事を拡散するのはSNSだけではない。NAVERまとめなどのまとめサイトでネットニュースが編集素材の一つになることもある。

ネット記事はネット世界で高い流動性を持つパーツだ。それらは「配信」によって複数のニュース媒体やキュレーションメディアに出張する。同時にSNSやまとめサイトによって拡散される。PRパーソンはこの複雑なトラフィックを捉える必要がある。

狙いたいニュースの「リンク」

もうひとつ注目しなければいけない現象がネットニュースから ...

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